渡米する前に授業についていけるだけの勉強はしておこう。ということで、手始めに統計学から着手してみた。本当は全く予備知識の無いFinanceやAccountingこそが最もやるべき科目なんだろうけど、ほら、折角勉強する気になったのに最初からつまずいてしまったらやる気そのものが無くなってしまいかねないから(言い訳)。なので、それなりに分かっているハズの統計学の復習。分かっているはず・・・一応。だって大学の成績証明書には、ちゃんと「Probability and Statistics」の単位が取れています、って書いてあるし。
なのに、授業を受けた記憶が全然無いのは何故なんだろう・・・・_ ̄○
テキストは知の統計学。「全然分からなかったらどうしよう!」とちょっとどきどきしながらテキストを開く。よかった、なんとか普通についていける。
この本は、著者が関西学院大学商学部で統計学の授業を行ったときのテキストをベースに編集されている。「まえがき」の中でも書かれているけど「履修者の半数以上が大学受験で数学を選択してこなかった」という状況を踏まえて書かれているので、様々なところで「数学に興味が無い人に、統計学に興味を持ってもらう」工夫が施されている。演習で使われているデータも、統計学の練習問題にありがちな「A組の生徒のテストの平均」とか「B社の売上高推移」なんて無味乾燥なデータではなく、様々なリアルなデータが引用されていてとても興味深い。一例を挙げると
- 出会いのきっかけに見た夫妻の平均年齢差(厚生省:出生動向基本調査)
- プロ野球12球団の平均年俸(日経新聞)
- 日本の社長204人の役員報酬(政策研究所:役員の報酬・賞与・年収)
てな感じ。ちなみに「出会いのきっかけ別夫婦の年齢差」は「学校」が一番小さくて0.2才、以下「サークル・クラブ・習い事」「アルバイト」「兄弟・友人を通じて」「街中や旅先で」「職場や仕事で」と続き、「見合いで」が一番年齢差が大きくて4.2才、らしい(ただしおそらく10年ぐらい前の統計データ)。それにしても面白いこと調べてるよなあ、厚生労働省。
そんなわけで、「ある程度ざっくりと理解していることを体系立てて学びなおす」という比較的負荷の小さい学習のため、かなりサクサクと進みました。日曜の午後、近所のカフェにこもってテキストを読みつつ問題を解きつつ、1日でテキスト半分ぐらい完了。出だしとしてはいい感じ。
ちなみにこのテキスト、本編も興味深いが冒頭の「統計学勉強事始め」に書かれていることも面白い。
こんなふうに。
- この世の中、明確な数値よりもむしろ不確定な数字が多い。
- 直感と理論は遠くて近い。理論は直感の抽象化である。直感は理論に説得力を与える。
- 複雑きわまりない数式も数学者の脳裏には「美しいイメージ」で浮かび上がるらしい。
- 数と量で人をけむにまくには統計学が最高だ。
- 社会に出て人とケンカするには腕力はいらない。客観的なデータの積み重ねとデータ分析力だ。データと数字で相手の言い分を打ち負かし、説得して相手を寄り切るしかない。
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