2007-04-28

House hunting!

日本に比べてこちらでは「引越し」に対する敷居が比較的低い、ような気がします。理由としては

1. 礼金がない(Depositという名目で最初に家賃の1~2か月分を取られるけど、これは日本でいうところの敷金みたいなもの)
2. 1年で容赦なく家賃を上げられる場合がある。
3. 洗濯機、冷蔵庫、食器洗い機といった大物家具が通常は家備え付け(新しいところだと電子レンジも着いている)

といったところでしょうか。2に関してはBay Area特有なのかもしれませんが。なにせ、米国全土でもNYに次いで家賃相場が高いといわれている地域だけあって、不動産マーケットは基本需要過多。2割、3割の賃上げを要求されることすらあるみたい。だったら予算内で新しい家を探した方がイイ!と思ってしまうのもしかたないかも。同級生の中にも、この理由で引越しを検討中の人もあり。

うちは、今のところ賃上げのお知らせはきていませんが、契約も1年で切れることだし、「悪くはないけど、もうちょっと良い場所があるよねー」ということで、この家は今年一杯で終了、ということに。引き続き2年目も一緒に住むことになったChinese AmericanのJingに韓国人同級生をひとり加えて、只今新しい家を探し中。それなりに手間のかかる作業ではあるものの、新生活に向けた準備、という気がして、なかなかワクワクする作業だったりします。

ちなみに、Berkeleyの家賃相場は、いまのところこんな感じでしょうか。
Studio(日本でいうところのいわゆるワンルーム):$1,000~$1,300
1bedroom:$1,300~$1,700
2bedroom: $1,800~
3bedroom: $2,500~

中心部である学校から離れるともう少し安くなりますが、学校近辺、あるいは山側の絶景Viewの望める家などは人気度が高いため、大体こんな値段です。すっかりこちらの感覚に慣れてしまったけど、冷静に考えたらこれ、東京と遜色ない値段だ・・・・

2007-04-27

Are you able to swim/Bike?

さて先日。今年の夏にサマーインターンを行う予定の会社から、メールがきました。インターン開始前に1週間ほど香港でトレーニングがあるのですが、その準備のために教えて欲しい情報がある、とのこと。

アレルギーの有無や食べれないものがあるか(好き嫌い、じゃなくて、ベジタリアンとか宗教上の理由で食べれないものがある人が多いからね)、を聞くのはよいとして。

何故か「Are you able to swim/bike?」っていう質問項目が。

ナニコレ?

えーと、まさかトライアスロンでもやらされるんですか?

・・・・まあ前職の頃は、会社のメンバーで駅伝走ってましたがね、私・・・・

2007-04-15

お好み焼きのようで

お好み焼きにあらず。賞味期限の過ぎた卵と山芋をなんとか処分せねば、とレシピを検索して出てきたのが山芋ステーキ。すりおろした山芋と卵を混ぜて焼くだけ、というシンプルな料理。でも大変美味しい。

アレンジで、タネにめんつゆを入れると風味が増します。タネがやわらかいので、多分他に野菜を混ぜるのが難しい(ひっくり返すときに重さで落ちそう)のがちょっと難点。軽く小麦粉を混ぜると、強度が増してよいのかも。

ところで、上のメニューの話を友人にしたら「なにその酒のつまみみたいな昼ごはん」と。

・・・・確かに。

2007-04-11

戦略的ゲームとしての七並べ

火曜水曜に提出のEthicsとStrategyのmidterm paperがあるにもかかわらず、土日とLake tahoeに遊びに行ってたおかげで、久々に「人としての機能を維持できるぎりぎり」レベルのえぐい睡眠時間しかとれなかったここ3日間。月~水であわせて5時間ぐらいですかね。眠い。レポートは書き上げて、今は提出するためにOffice hourを待っているところ。

さて、土日のスキーは日本人同級生&韓国人同級生の合同ツアー(というほどの人数でもないけど)。昼間のスキーの後、同級生がシェアして借りているロッジに泊まって、そこでなぜか開かれたのが、トランプの「七並べ大会」。何故に七並べなのかよく分かりませんが、とりあえずカードゲームをしよう、という話の流れで。定番は「大富豪」かな、と思ったけど、これはルールを英語で説明するのがややこしそうだったので、同級生Y氏の提案で七並べに。

七並べなんて子供のころ、お正月や親戚が集まるイベントで遊んだっきり。特に頭を使うわけでもない、どっちかっていうと配られたカードの種類によって強さが決まってしまう単純なゲーム、と思っていたのですが、子供の頃は知らなかった3つのルールが追加されたことで、実は戦略的要素の非常に強いゲームだということが判明してちょっと驚き。

追加された(基本ルールなのかもしれないけど、私は知らなかった)ルールは以下のとおり。
1.ジョーカーは、「間の数を埋めるワイルドカード」として使う。ジョーカーを置かれた位置の札を持っている人はその札を出す必要があり、かつ置かれたジョーカーを自分の手札にするかしないかを選択できる。

つまり
3 4 5 6 7 8
となった状態でジョーカーと10を持っていれば
3 4 5 6 7 8 Jorker 10
と出すことができる。この場合、9を持っている人は札を場に出す必要があり、かつ、9を置いた後に、ジョーカーを自分の札にするかしないかを選択できる。ワイルドカードとして有効なジョーカーですが、「ジョーカーでは上がれない」というルールもあるため、ゲーム後半には注意が必要。

2.カードがどちらか一方の端(1かk)まで到達した場合は、1の場合は次はK、Kの場合は1に繋げる必要があるという「A-Kのリンク」。例えば

4 5 6 7 8 9 10 J Q K

と出たら、次におけるのは1のみで、4の隣の3には置けない。逆も同じ。

3.カードを持っていてもあえてパスをする「戦略的パス」が可能(ただしパスは3回まで)

さて、この3つ、特に2番の「A-Kのリンク」が追加されると、手持ちの札のうち「どの札が危険な札か」の読みが随時変わってくる。このルールがないと、使えるテクニックはせいぜい「札の流れを止めて、他の人が手札を出すのを防ぐ(6や8を持っているのにあえて出さない、とか)」程度A-Kのリンクが追加されると、札の流れによって最後まで残りそうな札が流動的になり、また、自分で流れをコントロールできる部分が増えてくるため、非常に面白い。

wikipediaの説明を見ると「チルドレンズ・ゲーム(子供向けのゲーム)」とあるけれど、なかなかどうして、大富豪に匹敵、あるいはそれ以上に「戦略と駆け引き」が重要なゲームです。ただし、プレイする人数がある程度多くなると、「戦略を立てられるほど手札に余裕がなくなる(そもそも、出せる手札が少なくなる)」ため、「手札の運」の要素が大きくなってしまうのは、まあしかたないことでしょう。

半信半疑で参加した日本人も、初めて七並べをする韓国人も、予想以上に盛り上がってしまったLake Tahoeの一夜。モノポリーとか、「考えること」が要求されるゲームが好きな人にはかなりツボに入ると思われます。

ちなみに、このゲームを提案したのは、某外資系戦略コンサル出身の日本人同級生Y氏なのですが、ゲーム序盤に余裕綽々で勝つ氏に「このゲーム得意なの?」と聞くと、「ぶっちゃけ言って、カナーリ得意です」と自信満々の様子の返答。だと思ったよ・・・

そうそう、こんなリンクもありました。
はてな:トランプゲームで「心理戦ゲーム」言えば、どのようなものがありますか? 

2007-04-09

MIT sketching

確認してないけど、おそらくメディアラボでしょうね。これはすごい。



商用化された場合にどのくらいコストがかかるのか分からないけど、こういうのが中学・高校の物理の時間に普通に使えるようになれば、「理科離れ」を防ぐ協力なツールになるよなあ、と。

面白かったので何人かの知人にメールを送ったところ、そのうちの一人から「この技術はドラえもんの“マジックペン”に基づいているに違いない」というリプライが。

うはは、と笑ってしまったけど、あながち笑殺できないかも。「子供の空想のようなシンプルな技術を具現化する」という点において、MITのメディアラボの研究テーマとドラえもんの道具には、どこか共通する部分があるような気がします。

MIT Media Lab

2007-04-02

イニシエーション・ラブ

3月最後の1週間、春休みはLAで過ごしておりました。友人宅に泊まらせてもらって、3日でテーマパーク4つ、美術館2つにパサデナのハンティントン・ライブラリーなどを回り、昼夜と友人お勧めのLAのお店で食べ歩く、という幸せな日々。遊んでくれたI氏、S氏、ありがとうございます。

で、テーマパークや美術館が表の目的地としたら、裏の目的地はLAにあるブックオフ。そう、なんとLAにはあの日本のブックオフがあるのです。アメリカではNYとLAにだけあるらしい。う、うらやましいね・・・

事前の打ち合わせ段階から、行きたい場所を聞かれて「ブックオフ!」と答えた私は友人たちに呆れられていたようですが、期待にたがわず、大量の文庫本&マンガをゲット。総額80ドルあまり。日本に居たときですら、ブックオフでこんなに使ったことはありません。マンガはかさばるからやめておこうと思ってたのに、「のだめ」を大人買いしてしまいましたよ・・・。あ、80ドルのうち半分ぐらいはのだめです。

本は日本から空輸しているものもあるらしく、値段設定は日本より若干高め。でも、「1ドルコーナー」とか「2冊で3ドルコーナー」といったお買い得品も沢山あるため、かなりの冊数を買い込むことに成功。

で、タイトルのイニシエーション・ラブ。以前からネットの書評などで噂になっているのを聞き、一度読んでみたい、と思っていたところ、運良くブックオフで発見し、早速購入。乾くるみ、読んだことないけどメフィスト賞作家だったのね。ってことはかなり癖のあるミステリ作家なんだろうなあ、などと思いつつ、早速読み始め・・・(以下、一応ネタバレはしてませんが、余計な前知識を要れずに読みたい人は、スルーしていただいた方がよいかもです)

大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。

目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、そして最後に明かされる真相…。80’sのほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマはそこですべてがくつがえり、2度目にはまったく違った物語が見えてくる…。


との紹介文通りの、ベタな恋愛模様から始まって。合コンで知り合った二人が付き合い始め、デート、初体験、クリスマスと時を過ごす。やがて東京と静岡の遠距離恋愛になり、二人の間には少しずつ溝ができはじめ・・・・と、面白くないことはないけど、かなりベタ。いまどきベタな恋愛小説でもこの展開はないでしょう、というぐらいベタ。えーと、一体どこでひっくり返るんだろう。つーか、もう残りページが少ないのだけど、これ本当にミステリになるの・・・と思ってたら。

ちゃんと最後にくつがえりました。やられました。しかも、衝撃が2段階で来ました。最初読み終わったときは「え、そういうことだったのね。なんか違和感あると思ってたけど、そうかー」と驚きながら納得して。あれ、でもまてよ、それだと微妙につじつまが合わないところが・・・・・・と考えることしばらく。

ま、まさかそういうこと?!

即、ページを戻って再読。すると、一度目の時には「ごくありふれた恋愛模様」に見えた様々なシーンに張られている伏線が、出てくるわ出てくるわ。ページをあちこちに繰りながら、ついには付箋まで出動させて確認作業。ラストを読んだあとで読み返すと、これほど全体の印象が変わってしまう話もないんじゃないでしょうか。

驚き度でいうと、筒井康隆の「ロートレック荘殺人事件」が近い感じかなあ。ただ、一読したあとに再読すると物語が全く違って見える、という点では共通していますが、かなりテクニカルな印象の、別の言い方をすると「ミステリを成立させるためにトリックを駆使する」印象を強く受けるロートレック荘に対して、イニシエーション・ラブの方は、「トリックが見破られた後に見えてくるもう一つの物語」が、後味が悪いというか、えぐいというか、背筋が寒くなるというか、なんというかいろんな意味で「凄い」。

ちなみに、タイトルの「イニシエーション・ラブ」とは、物語の中で登場人物が語る言葉で、本文から抜粋すると

子供から大人になるための儀式。初めて恋愛を経験したときは誰でも、この愛は絶対だって思い込む。でも人間にはーこの世の中には絶対なんてことはないんだよっていつかわかるときがくる。それがわかるようになって初めて大人になるっていうのかな。それをわからせてくれる恋愛のことを彼はイニシエーションって言葉で表現していたの


とのことですが、この小説のトリックを見破ることで見えるもう一つの物語を受け止めること、理解できるようになることが、一つのイニシエーションでもあるんじゃないかな、と思ったり。

とまあ、未読の人には「なんのことやら」という感じで書き散らしてしまいましたが、どうやら近々文庫化するみたいですし、興味をもたれた方は是非読んでみてください。で、私の語り相手をしてください・・・

あと、ネットでいろいろネタバレサイトをみて知りましたが、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」もどうやら似た系統らしく。日本に帰ったときに是非買ってみようと思います。

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