2008-06-29

帰国/時差/氾濫する情報

一昨日の夕方無事帰国しました。

帰国便はJALだったのですが
・機内放送が英語、日本語に加えて中国語
・中国人(台湾人?)CAが男女あわせ5名ほど搭乗
という状況を見て、そうか、やっぱり中国人旅行者って増えているんだなあ、と改めて認識。しかし私の席にサービスしてくれていた中国人女性CAは非常に可愛かったです。一応日本語で話しかけてくるのですが、やや片言で、所々英語と片言日本語のチャンポンになるあたり、相当萌え心をくすぐられました。「オキャクサマ・・・ワショク カクニン シマス。maybe not カモ」とかね。JALはいい人材をとってますね、ホント。



今は青山のサービスアパートメントにいます。外苑前の駅から徒歩3分ぐらい。なんか道行く人がおしゃれです。Berkeleyから帰ってきたそのままの格好(GパンTシャツスニーカーに帽子)で青山通りを歩いていた私は、明らかに街から浮いてました。それにしても日本の女の子はみんな細いし、おしゃれだね。

帰国の翌日から部屋探しして買い物して美容院に行って・・・とフル稼働で動き、「なんだ、私、時差なんて全然平気じゃん」と思っていたら、昨日の夜は気づかぬうちに9時頃眠りに落ち、目が覚めたのは朝の3時。西海岸時間で午前11時。全然克服できてません、時差。体は正直だ。



去年の夏にも、今年の3月にも帰国していたので、カルチャーショックのようなものはありません。ただ、目と耳を通じて入ってくる情報量が格段に増えたのには、少々参っています。

私の英語力だと、基本的に意識して「聞こう」としないと、会話の内容は頭に入ってきません。だから、アメリカにいたころは、カフェでどれだけとなりのアメリカ人が騒ごうが「What's the hell! Fuck you!」と電話で叫ぼうが、「ああ、なんか怒っとるのー」という程度で聞き流すことができました。意識しない限り、その人が話している内容は頭に入ってこないから。

でもここでは、耳から入ってくる全ての音が意味を持っています。電車の中で、カフェの隣の席から、道端ですれ違う人から、聞こえてくる言葉が全て理解できてしまいます。これがどうも慣れない。別に聞きたいと思っているわけではないのだけど、頭の中に次から次へと流れ込んでくる言葉をどうシャットダウンしていいのか、どうもよくわからない。言葉が頭の中で氾濫して、それだけで随分と疲労してしまいます。

以前はどうやってたんだろう?



そんなわけで、明日から新しい会社での仕事が始まります。

2008-06-26

合格!

本日無事にチェックフライトを終え、Plivate Pilot Certificationを得ることができました。しかしまあ、オソロシイことにIFR条件下でのチェックフライトでした・・・・




*IFR:Instrument Flight Rule:計器飛行。IFRの反対であるVFR(有視界飛行)で飛ぶには、視程が3mile以上とか雲底が1000ft以上とかの気象条件がある
普通なら試験がキャンセルになっても文句は言えない状態なのですが、「明日日本に帰るの!」と事前に強調しておいたせいか、はたまた試験官がいい人だったのか、急遽IFR装備のついた同型のCessna152に乗り換えて、ほとんど無理やりにチェックフライトを敢行。地上付近の視程はなんとか2mile確保されていたのだけど(まあそれでもUnder VFRなわけですが)、1000ftぐらいから上はもう靄で真っ白。こんな中でチェックができるわけもなく、完全にIFR状態の中計器を頼りに上昇して、視程がクリアになる8000ftまで登っていき、そこでなんとかmaneuvering practice。といっても、対地目標なんか全く見えないわけで、完全に計器だけが頼りです。
*IFR装備:正確に言えば私が最初に乗っていたCessnaも装備自体はIFRに必要なものがそろっていたのですが(というかIFRに要求される最低限の計器って、Radio、高度計、Attitude Indicator、Turn Cordinator、Heading Indicatorなど、普通の飛行機なら大概ついているようなものばかりのようです。VORがrequiredじゃないことを知ったときにはちょっと驚いた・・・)、IFRで飛ばすためのaltimeter pressureのチェックがされていなかったのでした。
ちなみに、飛んだことのある方は分かると思いますが、対地目標や地平線が全く見えない状態で飛行すると、自分の「感覚」は全くあてになりません。自分が「これは水平だ」と思っている状態で機体が30度ぐらい傾いていたり、一定に保っているつもりでもものすごい勢いで機首が上がったり下がったりしていたり。擬似IRFの練習を何度かやったのですが、最初はこの「自分の感覚が間違っている」ということが全く腑に落ちず、「おかしいなあ、これ計器が狂ってるんじゃないの?」(←そんなわけはない)などと思ってしまったものでした。これを克服するのに結構かかりましたが、最終的にはこの擬似IFRの練習で、今日のようなIFR条件下でもなんとか飛ぶことができたようなものです。
*擬似IFR:上部にフードのようなものがついたメガネもどきをかけて、「計器は見えるけど外の景色は見えない」状態を作り出して、計器だけで飛行する練習をする。
8000ftでmaneuvering practiceを終えた後は、再び空港付近まで降下して、IFRの飛行機が着陸する合間をぬって着陸を何パターンか。降りた後は、Special VFRでclearanceをリクエストしたためIFRに優先権があるようで、とにかくひたすら待たされました。普通にtraffic patternを周っていて時間がかかりすぎると思われたのか、はたまたIFR進入機との兼ね合いか、試験官に指示された着陸R/Wはなんと19→14→32と毎回変わっていくという結果に(試験を受けた空港のR/Wは14-32と1-19)。風がほぼゼロだったとはいえ、なんというアクロバティックな。
*Special VFR:気象条件がVFR以下でも、空港周辺でのtraffic patarnに限定とか、出発地はIFRだけど行き先はVFR条件だとかいた場合に、ATCにリクエストすればclearanceを得ることができる
多分相当irregularな試験だったんだと思います。通常なら課目に入っているはずのクロスカントリーからDivertして他の空港を目指す練習だとか、対地旋回は(地上目標をとって旋回したりS字に飛んだりするアレです)もやらなかったし。いいのかなあこれで・・・と思いつつも、それでも試験を実行して合格させてくれた試験官にはホント感謝の気持ちで一杯です。

というわけで無事にライセンスも取れたので、明日の飛行機で帰国します。さてこれからパッキングだ・・・・

(しかし読み直してみるとマニアックな内容ですね。分からない人には「なんのことやら」という内容でしょうねこれは・・・)

2008-06-22

Rubik cube

にはまっています。飛行機の学科試験と実技試験を控えていて、勉強しなきゃいけないことは大量にあるので、そんな暇はないはずなんですがね・・・時間がないときに限って、別のことをやりたくなるというこの矛盾。

しかし面白いです、ルービックキューブ。幸いインターネット上には山のような情報があるので、それを見れば6面そろえるのはそう難しくないのですが、何も見ずに6面は結構大変。最初の1面と、4つの側面を2列そろえる、あたりまではマニュアルを見ないでもできるようになったのですが。そこから先の動きが結構複雑で、動きを理解するのもそれを覚えるのもなかなか難易度が高い。

面白さの要素としては数独とかクロスワードパズルとかに近いけれど、実際に手をかちゃかちゃ動かすという動作が入っている分、体感的な気持ちよさが大きいような気が。

ちなみに飛行機の実技試験は、帰国前日の26日です。なんというギリギリスケジュール。これで落ちたら冬休みにでももう一回、試験のためだけに渡米です。できることなら避けたいシチュエーションですがね・・・・

2008-06-20

アメリカではありえない駅ダンジョン

本日船便で送る引越し荷物を取りにヤマト(サンフランシスコに支店があるのです)の人が来たのですが。集荷に来た人、思いっきり関西弁でした。

結論。関西人は東京どころか、世界中どこに行っても関西弁を話す。

ちなみに私は、こっちに来て関西人の同級生とよく話していたせいか、最近再び言葉が関西弁に戻りつつあります。どうしたもんだか。



さて、タイトルにあげた駅ダンジョンの話。

確かに、東京の駅のダンジョンっぷりには恐ろしいものがあります。

知られざる「駅ダンジョン」の世界

冒頭に上がっている渋谷駅なんて、ダンジョンというかこれはもうエッシャーの絵みたいな世界ですね。てくてく下っていったらいつのまにか登っていた・・・なんてことになってもおかしくないような印象が。

記事では渋谷が一番手に上がってますが、個人的には新宿駅の方がヤバイと思います。新宿駅って、フロアが整数単位じゃないんですよね。中二階とかだけでなく、地下1階と地下2階の間とかに、やたら天井の低い通路の両側に店がにぎわう場所とか、そんな「隠し通路」みたいなのが一杯。だから「2フロア分上がったからここで地上か~」とか思っていても、全然違ったりするわけです。しかも、地上のレベルが一定じゃないんだこれが。首都圏に5年住んでいましたが、未だに攻略できていません。

ところで、日本と比較するとアメリカの鉄道システムのしょぼさは誰もが知るところだと思いますが、私の住んでいるベイエリア(サンフランシスコ一帯)にはBART(BART、Bay Area Rapid Transit)と呼ばれる鉄道があります。BARTは、アメリカ合衆国公共交通協会 からアメリカの中で一番優秀な輸送システムであると認定されているらしいです。まあ、一番といっても非常に母数の小さい中での一番だとは思いますが。一応、鉄道としてアメリカの都市部を代表してもらっても問題ないでしょう。

で、そのアメリカ代表のBARTの駅ダンジョンっぷりはどんなものだろう、まあたいしたことないのは分かってるけど、それでも一応サンフランシスコ中心部ではちょっとは複雑な駅構造になっていたっけな・・・と思ってHPを見てみたのですが。

BARTのホームページ、駅の構内マップなんてものはカケラも見当たりませんでした・・・

原文をあたることの重要性

興味深い記事を発見。


2008-06-20 - 備忘録ことのはインフォーマル:司法修習生のブログ


司法修習生が取り調べの様子をブログに書いて守秘義務違反に問われるというニュースに対して、原文にあたってみると実はマスコミで報道されていたものと全然ニュアンスが違う、という内容のもの。ニュースで引用されている「受刑者たちは何だかロボットのよう。何を考えて生きているんだろうか」とか、「相手は八十歳のばあちゃん。途中から説教しまくり。おばあちゃん泣きまくり」という部分だけ読むと、受刑者や取り調べ相手を莫迦にしたようなニュアンスに反感を覚えてしまうけど、実際には、その前後を見てみると


ただ,工場で作業をしている受刑者たちは,なんだかロボットのようで,
彼らの心が読めなかった。何を考え生きているんだろうか。 

なんか,刑務所って,やたらめったら厳しくて,そりゃ,犯罪者たちの
刑罰として,彼らを立ち直らせるための場所だから,緩くてはダメなんだろうが,
なんか,世間と離れすぎていて,受刑者を刑務所社会の中でしか
生きていけない人間に育てているようにも感じる。

偶然にも,いま自分が取り調べ中の被疑者は,刑務所出所後5日目に,
また犯罪行為に出た人で,なんかその被疑者を見ていると,
この人は刑務所でしかうまく生きていけないんじゃないかと感じた。
 
ただ,そうは言っても,刑務所の中では,受刑者は塀の中にはいるが,
身柄の拘束はなく,それと比較すると,未決の取調べ中の被疑者が
腰縄に結ばれて,手錠をはめられて,調べ室に来たり,裁判所に来たりする姿を
見ると,その姿があまりにも人間扱いされていない感じがするので,
刑務所のほうがまだ人間扱いされているのかなぁなんて感じた。

という感じで、刑務所の存在意義について思索していて、反感を覚えるどころかむしろ共感してしまう文章だったりする。もう一つの引用部分「80歳のばあちゃん~」の部分もしかり。

文章って怖いなあ、全文を読むって本当に重要だなあ、ということをしみじみと感じさせられます。ニュースを報道したマスコミの人も、一人ぐらいは原文をあたった人がいてもいいのにね(ブログは削除されてますが、キャッシュから閲覧可能)。

2008-06-16

その発想はなかったわ・・・

アメリカ人と接していると、なんだかんだ言って、根本的な発想のスタイルが違うよなあと思うことがしばしばあります。

現在、引越しに備えて大物家具を売り払っているのですが、本日、アメリカ人のカップルがベッドを引き取りにやってきました。ベッドを運ぶのだから大型トラックをどこかで調達してくるのか、と思っていたら、やってきたのはハッチバックで後部座席が2列になっている広いタイプではあるものの、どうみても普通の乗用車。いやー、いくらハッチバックを空けてロープで固定するとしても、それ絶対ベッド乗らんだろうって。

案の定、入れようとしてみたもの、そもそもベッドの横幅が車の横幅を越えているんだから、入るわけがない。どうするのかなーと思っていたら、彼氏が「よし、分解しよう」と言い出しました。なるほどね。ま、IKEAだし、簡単に組み立てられたんだから、分解もありか。

しかし、重要なパーツが一つ、どうやっても外れない。IKEAの家具は組み立ては簡単なのですが、簡単にするためにIKEA独自のネジやらそのネジを締める工具やらを使っているので、専用工具がないと通常のドライバやペンチじゃなかなか外れない部品があるのです。


2枚の板を90度に止め合わせる際に、一方を専用工具で固定して、一方をこれまた専用の六角レンチで回してネジを固定する。そんなパーツがあったのですが、どうせもう使わないだろうと(まさかベッド分解するとは思ってなかったし!)思っていた私が専用工具を保管しているはずもなく。ドライバやらペンチやらで頑張ってなんとかネジを外そうとするのですが、なかなか外れない。

こりゃ無理だなー、日を改めてトラックを借りてもらってもう一回きてもらうしかないかなーと思っていた私の耳に、信じられない言葉が。「これ、(上の図の)左側の部分を掘り出して壊してしまえば、ネジ外れるんじゃない?」わかりにくい図で恐縮ですが、左側の板の部分は、ボルト部分までは板の中に埋まっているけど、ネジ頭の部分だけネジ頭が見えるように穴があいていて、その穴から専用工具を差し込んで固定するのです。彼の提案は、そのネジ頭部分とボルト部分の板を掘り返してしまえば、ネジ外れるんじゃない?というもの。

・・・・・マジですか?!

そりゃ合板だからドライバあれば結構簡単に壊せるだろうし、壊した部分はあとから場所をずらして釘でも打てばいいんだろうけど、ていうか車に乗らないからって壊しますか、普通?

彼女の方も「あら、それいいわね」と全く異論が無い様子。で、5分後。ドライバでぐりぐりと穴をあけられたベッドは無事に解体され、車に詰まれて貰われていきました・・・・・

車に乗らないから「分解する」まではまだ同意できるのですが、ネジが外れないから「ネジ部分を壊してしまえ」という発想は、どれだけ頭を振っても日本人からは出てこないだろうなあ、としみじみ。

確かに、後から釘で組み立てれば十分機能するしそもそも安いIKEAベッドだし、もう一回トラック借りて取りに来る手間考えれば壊したほうが全然合理的かも、いやでも、それでも「壊す」はないだろう壊すは、とぐるぐる考えながら、それでも微妙に負けた気分になってしまったのは一体何故なんでしょう・・・・この発想力が、iPhoneでお財布ケータイを使えるようにするための画期的な方法を思いつかせる原動力なんでしょうか・・・

2008-06-14

iPhone予約しました

正確に言うと、東京の友人にお願いして予約してもらいました。TOさんHYさんありがとう。こんなアホなお願いを聞いてくれる友人を持って私は幸せです・・・・

ただ、正確に言うと、「入荷台数もプランも全く未定なので、発売日にお渡しできるかどうかは分かりません、がとりあえず予約は受け付けます」って状態らしいです。なにせ、予約が殺到しすぎて、孫さん直々に予約受付の中止を依頼するほどの騒ぎに。

iPhoneといえばあちこちで聞いた「でもお財布ケータイ使えないしなあ」という声。これに対して、Appleが画期的な回答を発表したようです。


これ、2chのネタ画像じゃないですよ。Appleの公式HPに掲載されている画像です(正確にはiPhoneじゃなくてiTouchなんですが)。なんというか、まさに神対応との言葉しか思い浮かびません。カードケースにどうみてもスイカが入ってるあたりが、確信犯的というか。こういう発想はドコモにはないんだろうなあ・・・・

2008-06-13

料理漫画で植えつけられた知識

カツオの刺身はマヨネーズで食べると美味しいとか、トンカツの肉の厚さは5ミリが最適とか。料理漫画で植えつけられた正しいのか間違っているのか分からない知識というのは誰でもあると思うのですが。どの漫画で見たかもわからないのに、私がずっと覚えていて、そして未だにたまに実践してしまうのがこれ。

パスタがアルデンテに茹で上がったかどうかを調べる方法
茹で上がったパスタをぱしっっと窓ガラスに貼り付ける→するとパスタの内部の状態が良く見える→中心に少し芯が残っていたら完成

・・・・まあ、アルデンテの定義として間違ってはいないと思うんですけどね。だからといって、別に窓ガラスに貼り付けなくてもよかろう、と思うのですが(噛んで確かめればいいじゃん)。

とまあ、ばかばかしいとは思いつつ、ついつい今日も窓ガラスにぱしっっとやってしまったのでした。アホやねえ。しかしこれって一体何の漫画だったんだろう。やっぱり美味しんぼ?

ちなみに、パスタを茹でるときには、ついついアルデンテの歌を歌ってしまいます。

2008-06-11

6/28に帰国します

そういえば先日、友人からこんな感じのメールをもらいました。

ところでおまえさんは日本に戻る気はあるのかね?なんかそのまま中東あたりに行ってふらふらして、拉致されてそうな感じなんだが。

・・・戻りますったら。

ちゃんと日本に戻って働き始めますよ。6/28帰国、7/1から溜池山王で仕事開始です。帰国日をえらくぎりぎりまで伸ばしたのは、当然飛行機のためです。結構ぎりぎりなんですよね、ライセンス取るまでに必要な時間が。

7月1日から働き始めますが、7月半ばからは研修で3週間ほどNYです。引越しはそのあとになるので(帰国してしばらくは多分ホテル住まいです)、8月半ば頃にはようやく落ち着いている感じでしょうか。おひさしぶりの人もそうでない人も、そのあたりで遊んでやってください。

2008-06-09

上空からWWDCを攻めてみる

あれ、てっきり冬頃発売と思ってたら、なんと来月発売ですか。

iPhone 3Gを7月11日に世界同時発売

というわけでこちらの時間で9日午前10時、日本時間で10日午前2時から開催された、AppleのWWDC(WorldWide Developers Conference)にて7月11日より全世界一斉投入が決まったiPhone。会場の様子がustreamで中継されたりスティーブ・ジョブスの基調講演がリアルタイム同時翻訳されていたりと、なんだかもうすっかりお祭り騒ぎ。

個人的に興味深かったのは、8Gモデルが199ドル、16Gモデルが299ドルと従来の価格(8Gで399ドル)から大幅に値下げしている点。iPodのこれまでの歴史を見ていると、Appleって常に最上位モデルの価格を維持して、その分性能を向上させているんですよね。iPodの最上位モデルの価格は500ドル前後で常に維持されていて、その分HDの容量が増えていく、といったように(当然、バージョンアップすれば、同じ容量のHDのモデルの価格は下がるわけですが)。なので、従来モデルを値下げするのであれば、さらに上位の32Gモデルを出してくるんじゃないのかなあ、と思っていたのですが。現にiTouchは32Gモデルが出てますしね。このあたりは、iPodの時と価格戦略を変えてきているんでしょうか。

さて、このWWDC、サンフランシスコで開かれていることだし、折角だから行ってみようかと思ったのですが、直前にWebをチェックしてみるとチケットは既にSold Out。残念!でもこのまま引き下がるのは悔しいので、上空からちょっと会場を攻めてみました。丁度この日の午前中に、フライトの予定が入っていたので。

時刻は午前10時半ごろ、スティーブ・ジョブスの基調講演の真っ最中です。

中央の、壁面にAppleロゴがついている建物が、会場となったMoscone Convention Center。当日は朝5時から大行列だったようですが、基調講演の真っ最中のこの時間に外に出ている人はさすがにいません。


壁面のAppleロゴの拡大。ロゴの下に、WWDC2008の文字が。

とりあえず、上空から攻めることができたので、満足満足(←何もしてないけどね・・・)。

とまあ一部の人たちの間でお祭り騒ぎなわけですが、そうはいっても、初動でiPhoneを買う人は、いわゆるコアなマニアで、一般に浸透するにはしばらく時間がかかるような気がします。

といっても、Appleの場合、その浸透のじわじわ度とスピードが、恐ろしく速い。iPodもそうでした。最初に発売されたときはMacにしか対応していなくて、そのデザイン性で話題にはなったものの、そもそも「パソコンに繋がないと使えないオーディオプレイヤー」の存在自体に「それってどうよ?」との声も多々あり。それが、いつのまにかじわじわと浸透していき、今ではすっかり携帯オーディオプレイヤーのヒット商品です。iPhoneも、同じような感じで徐々に浸透していくんじゃないかなあ、と。

2008-06-07

数学ガール


登場人物は数学の才媛ミルカさん、元気少女テトラちゃん、「数学が好きです。趣味は数式の展開です」という「僕」の3人の高校生。そんな彼ら/彼女らが、おしゃべりしたり数式をといたりという、数学の解説書なのかライトノベル風小説なのか、一言では言い表すのが難しい、不思議な本。

難解な数式を鮮やかに解き明かすミルカさんの章もおもしろいけど、「それって、そもそもどういうことなの?」というシンプルな問いを投げかけてくるテトラちゃんとの対話には、なかなか考えさせられる部分がある。

「素数に1は含まれない。それはわかりました。でも-まだ納得してません。どうして素数に1を含めないんですか。含めてはいけないんですか。素数に1を含めないrationaleな理由が分かりません。」
「ラショナル?」
「正当な理由、原理的説明、理論的根拠-です」
へえ、この子は-この女の子は、納得することの重要さをわかっているんだ

テトラちゃんに僕が話す「学ぶこと」についての意見にも、はっとさせられる。

「時間はかかる。とてもかかる。でも、それは、あたりまえだ。考えてごらん。数式の背後には歴史がある。数式を読むとき、僕たちは無数の数学者の仕事と格闘しているんだ。理解するのに時間がかかるのは当然だ。一つの式展開のあいだに、僕たちは何百年もの時を駆け抜ける。数式に向かうとき、僕たちは誰でも小さな数学者だ」

数学の面白さって、一見複雑に見える数式に手を加えてやることで驚くほどシンプルな式が導出される、その瞬間の気持ちよさにあると思う。数学ガールは、その気持ちよさを、とても丁寧に伝えてくれる。バーゼル問題、カタラン数、と耳慣れない、一見ややこしそうな問題が扱われているけれど、高校数学の知識があれば話についていくのに十分。

数学は好きだし得意だったけど、あくまでそれは「受験のツール」の枠内だったように思える。高校生ぐらいのときにこの本を読んでいたら、もっと数学の面白さに目覚めていたんじゃないかなあ。

元々Web上で連載されていたこの作品。本の一部はWebでも読めます。興味をもたれた方は著者のページへどうぞ。

ちなみにこの本を知ったのは、ニコニコ動画で初音ミク関連の動画をあちこち飛び回っていたら、数学ガールのテーマソングを作ってミクに歌わせた動画を発見したことから。


おまけ。この間教えてもらったパズル。これも、解けた瞬間は背筋がぞくぞくするくらい気持ちよかった。

2008-06-06

早すぎる・・・・

51歳なんて、まだこれからじゃないですか・・・ヽ(`Д´)ノ

訃報:氷室冴子さん51歳=作家 「なんて素敵にジャパネスク」など少女小説で人気

ジャパネスクが有名ですが、それ以前のクララ白書のシリーズとか、雑居時代とか、なぎさボーイ・多恵子ガールのシリーズも好きでしたね。元気はつらつでお節介焼きで感情的な多恵子は正直あまり好きではなかったのですが、思春期の微妙な心象風景とか、何気ない言葉で深く傷つくところとか、リアルに胸にぐさぐさくる話だなあ、と思いながら読んでおりました。槙修子の凛々しさと格好良さは今でも印象に残っています。全四部作だという話もあったので、いつか四作目(野枝編かあるいは槙修子編?)が出ないかなあと期待していたのですが。

そういや、西村しのぶの「サード・ガール」にも、夜梨子が「図書室で多恵子ガール読破して~」とつぶやくシーンがあったなあ、とか思い出したり。

あと、海が聞こえるはアニメも含めて名作ですね。続編の「海がきこえる2~アイがあるから」も、津村知沙がツボにはまりまくりで泣けましたね。


ご冥福をお祈りいたします・・・・

しかしこういうときにつくづく思いますが、電子書籍ってもっと普及してくれないもんですかね。今日本全国+海外で、多分同世代の百万人ぐらいが「ジャパネスク面白かったなあ・・・もう一回読み返したい!」とか思っていると思うんですよね。本持ってた人もそうでない人も、押入れ探せば本多分本が出てくる人ももう古本屋に売っぱらっちゃった人も。とりあえず、「今」読みたいんですよね、ほんと。絶版本も多いみたいですが、絶版にするぐらいなら電子化の許可を是非残しておいてほしいもんです・・・

2008-06-04

iPhoneキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

きましたねー

「iPhone」について
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080604_01/

昨日までの夏モデルの発表が一気にぶっ飛ぶ衝撃のプレスリリース。わずか50文字足らずの文章の向こうに、孫さんの「してやったり」という顔が見えるのは私だけではないはず。しかしこうなってから見ると、先日の「女性をターゲットにした夏モデルの発表」は、「(おそらくiPhoneの主なターゲット層である)男性は夏モデルは買わんでいいから、冬までにお金貯めてiPhone買う準備しといてねー」というメッセージであるようにも思えてきますよ・・・

ソフトバンクが夏モデル12機種を発表,女性をターゲットにした端末を前面に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080603/305883/?ST=keitai
正直防水機能とか丸みを帯びたデザインとか、Geekなワタクシからしてみれば「そんなんどーでもええやん!」という全く面白みの無い夏モデルだったんですが。

帰国を控えて、いつまでたっても日本の携帯メーカーからiPhoneが出る気配がないもんだから、これはこっちでitouchを買って帰るべきかとか(今の為替レートだとアメリカの方が安いです)、実はChumbyの購入も考えてるんだけどitouchとchumbyって機能的にかぶる部分があるよなあどうしようかなあとか、ていうかどうせ会社からBlackBerry持たされることを考えると私は一体いくつカバンの中にガジェットを持ち歩く気なんだろう、とかいろいろ考えていたのですが。

これはもう、帰国したらソフトバンクで携帯契約してiPhone即効予約ですかねえ・・・・

あ、ちなみにchumbyってのはこういうモノです。

日本語未対応だし、ウィジェットの追加とか結構手間をかけないと面白いおもちゃにならなさそうなんだけど、そんなところがまた心をくすぐったり。日本では今のところ未発売だけど、共同購入してる人たちもいて、そのうちニコニコ動画視聴ウィジェットとか誰か作ったりするんじゃないかなあ、とか。

Overconfidence

以前にも書いた、最終学期に取ってたBehavioral Financeからのネタを一つ。

この授業のトピックの一つにあったのが「バブル」。バブルに巻き込まれた投資家には、どんな心理的バイアスがかかっていたのか、というような話をしながら、教授が言った一言。

「ITバブルとか不動産バブルのときに、ありえないような高額の株や不動産に投資した投資家は、その株や不動産が本当にそれだけの価値を持っていたと信じていたと思いますか?そんなことはない、投資している彼ら自身も“いやあ、どう考えてもこの株/不動産にこの価格がついてるのはオカシイだろう”と思いながら投資していたんですね。じゃあなぜそれでも投資したか。それは“この株/不動産をこの値段で買う俺も莫迦だけど、世の中にはこれをもっと高値で買ってくれる自分よりも莫迦な奴がいるに違いない”と思っていたからですね」

自分よりも莫迦な奴がいるから、自分は売り逃げできる。単純といえば単純だけど、バブルを支えていた裏にあったのは、まさにこんな「自分に対する過剰な自信」だったのかも。



授業の中で行われた実験。クラス全員に配られた小さな紙には「上位25%、25%-50%、50%-75%、75%-100%(下位25%)」と書かれている。「さて、このクラスの同級生の顔を見渡して、自分の車の運転技術が、このクラスの中でどの程度に位置しているか考えてください。考えた結果を、4つの選択肢から選んで、提出してください」結果、4割程度の生徒が上位25%を、8割程度の生徒が上2つの選択肢(上位50%まで)を選んでいた。気持ちは分かる。「私の運転はそんなに傑出したものじゃないけど、でもまあみんなと比べたら並以上ではあるだろう」私もそう思ったもの。



どれだけ冷静に判断しているつもりでも、人間は基本的に自分に対してOverconfidence。「そうは言っても私だけは別」という思考パターンに陥ったその時こそ、一番自分自身を疑ってかかるべきで。

・・・とはいうものの、たまには自分にも他人にも全力ではったりかまさなければやってられない時もありますがね(笑)

2008-06-02

第一種接近遭遇

私がこのところ毎日通っているOakland Airportには、距離約3,000mのR/W29に加えて、長さ1,800m程のR/W27が2本ある。R/W29は専らエアライン用(最近では赤と紫にペイントされたサウスウェストの天下と化している・・・)、私が乗っているセスナが利用するのはR/W27なのだけど、こちらのR/Wのもう一つの重要な用途はビジネス用orプライベートジェットの発着。

Oaklandには二つのビジネスジェットセンターがある。ビジネスジェットセンターとは、小型のジェット機(十人乗り程度のものから50人規模の大型まで)とパイロットを、用途に応じて貸し出して、広大なアメリカをジェットで移動するというビジネス。Oaklandはサンフランシスコにも近いことからビジネスパーソンや政治家の利用も多く、かつ空港から5分のところにアメフトや野球が行われるMcAfee Coliseumがあることから、スポーツ選手の利用も多いみたい。

さて、本日いつものようにそのビジネスジェットセンターのターミナルを通り抜け、My練習機であるC152のPre Flight Checkをやっていると、センターの前に黒塗りの車が数台。かつ、そこから現れた「いかにもSP」風な人が数名。なんだなんだ、と思っていると、ターミナルの前に着陸したばかりの小型ジェットが到着した。


小型ジェット機ガルフストリーム。日本では、ホリエモンが買ったということで有名になったジェット機。新規で購入すると50億円以上するらしい・・・・

ん、誰か政治家でもくるのかね?と思ってインストラクターに尋ねると「ああ、あれ、シュワルツネッガーのジェットだね」と。なんと、カリフォルニアの州知事様をこんなところで見ることになるとは。ちなみにガルフストリームは、カリフォルニア州の持ち物ではなく、シュワルツネッガーの個人所有機らしい。さすが。


シュワルツネッガーが降りてくるのを待つ付き人。奥の、こちらを向いている制服の人はパイロット。

待つこと数分。パイロットも降りたその後に、シュワルツネッガーが降りてきた。


男性と女性の間に挟まれている人がその人。インストラクターに「あ、あれ、あれがシュワルツネッガーね」といわれたから分かったものの、私には判別できません・・・

女性に誘導されるように、そそくさと黒塗りの車に乗り込む州知事。飛行機の前まで車を乗り付けて、一応警備っぽいことはしているものの、意外に隙が多いなあ、と思ってしまった。私が狙撃手だったら、簡単に狙えてしまいますなあ(笑)。

そんな感じでとりあえず「あー見た見た」という満足感を得て、本日も練習、練習。

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