2006-08-28

You are here to inovate

壊された自転車を修理して(42ドルで済んだ♪)、Pre-MBAコースが始まって、一時滞在先の大学の寮を引き払い新しいアパートに引越し、IKEAでベッドと机と椅子を購入し(3点で500ドルしなかったという格安ぶり。噂には聞いていたけど、IKEA恐るべし)、ルームメイトが到着し、オリエンテーションが始まって、そしていよいよ明日(今日?)から授業開始。一気に書くとこんな感じ。随分と更新期間をあけてしまいました。書きたいことがあるんだったら、blogはマメに更新しないとだめだね。期間が開けばあくほど書きたいネタが累積していって、ますます「ちょっと気軽に」更新できなくなってしまう。

そうそう、懸念事項だった「自転車をバスの前に乗せる」技もマスターしたよ。市内を走るバスの無料パス(Berkeleyの学生だともらえる、っていうか授業料の一部がこの部分に充当されているらしい・・・)をゲットして、これでかなり行動範囲が広がるはず。いや、自転車だけでも結構動けるんだけど、なにせ坂が多い街なものだから「疲れたときのリスク」をヘッジできる手段を確保しておかないと安心できない・・・

ダウンタウンのお店やスーパーマーケットなど、日常の買い物は大体自転車範囲でOK。近所のスーパーで普通に味噌とか豆腐などの日本食材が普通に手に入るのには驚いた。自転車で15分ほどのところにあるBerkeley Bowlというスーパーは、このあたりでも有名な「オーガニック系食材を扱うスーパー」なんだけど、ここでもかなりの種類の日本食材は手に入るみたい。これとは別に、日本食材ばかりを集めた店も、車で10分ぐらいのところにある。



Pre-MBAはMathとCommunicationの二つがあって、前者はアメリカ人も結構多くて全生徒(約240人)の6割ぐらいが、後者はインターナショナルの学生を中心に60人ぐらいが参加。Mathは要は「数学の復習」なので、内容的には「いまさらそんなことやらなくても・・・」というものがることは予測済みだったけど、とにかく「英語の授業に慣れる」ことを目的に参加。

まだ本授業も始まっていないPre-MBAの間から、ほぼ毎晩、なんらかの理由をつけてはあちこちで飲み会が開かれる。なんというか、皆して「Socializeしなきゃ!」という熱にうかされているような。いや本当に、冗談じゃなく毎日どこかで飲み会でした。そしていつ行っても、結構な人数が参加している。私もなるべく頑張って参加してはみたものの、基本的に根っこのところで引きこもり要素が強いもんだから(いや、あまり信じてもらえないけど、本当にそうなんです)、さすがに途中で息切れ気味。せっかくの機会だから!とついつい頑張ってしまいそうになるけど、適度に自分を休ませないとだめだなあ、とつくづく思う。

ちなみにこっちの飲み会はいわゆる日本の飲み会とは違って、基本的にあまり食べない。みんな夕食を自分で食べてきて、その後8時ごろからバーなどに集まって飲む。飲んで、ひたすらしゃべる。そんな形式なもんだから、費用はかなり安い。「食べずに飲む」というスタイルにはどうも違和感を覚えるけど、まあその分安いのはありがたいかな。毎晩、日本の飲み会のペースでお金を使ってたら、結構大変なことになってしまうしね・・・



Orientation Weekでは、偉い人の話を聞いたり、スケジュールやいろんなシステムについて説明を受けたり、初のケーススタディの授業を受けたり、みんなでボランティア活動に参加したり、などなど、月曜から木曜までびっしりと詰まったスケジュール。朝は8時、9時から、夜は夜でレセプションやパーティーや飲み会や、合間をぬって学生主催の飲み会などがあってもうてんやわんや。そうそう、1学年240人の生徒はcohort呼ばれる4つのクラスに分けられるのだけど、そのcohort対抗の運動会みたいなものもあった。

予想通り英語は結構大変。Pre-MBAコースの間internationalの学生と話していた時はそれなりに普通に会話ができたもんだから、あ、結構大丈夫かも、とか思ってたけど、ネイティブ同士の会話になると、もうスピードが全然違う。個人的にはバーでの雑談なんかがかなりきびしい。ノイズが多い上に雑談だからどこに話が飛ぶか予測できなくて、気を抜くと何を話してるのか全くわからなくなる・・・・(ノД`)聞くことに集中してると会話に参加できなくなるし、話すことを考えてると話の内容がわからなくなるし・・・という困った状態。まあ、こればっかりは一朝一夕でどうこうなるもんでもないしね。幸い、2人のルームメイトもネイティブという恵まれた(?)環境にいるので(一人は中国人だけど、9歳の時からアメリカに住んでいるということで、ほぼアメリカ人)、あまり焦らず気長に頑張っていこうと思います、ハイ。



そんな感じで、気がついたらもうすぐ渡米して1ヶ月。は、早い・・・・こんな感じであと21ヶ月が過ぎてしまったら、あっという間に卒業だ・・・と思うとちょっと焦る。その最中の密度が濃ければ濃いほど、逆に後から振り返るとあっという間に駆け抜けたように思えて、そのとき感じたこととや見た景色などのディテールがぽろぽろと抜け落ちているような気がするのがなんとなく怖い。記録の意味も含めて、ちゃんとblogを書いていこう・・と改めて思った次第。なので、明日からは妙に日記調になっているかもしれません。ん?



いろいろ思うところはあるけれど、とりあえず、これから先起こるすべてのことを「面白がろう」ということは心に決めた。楽しいことばかりではないかもしれない。落ち込むことや嫌な思いをすることもあってそれを「楽しむ」ことは難しいけど、プラスの出来事もマイナスの出来事も含めてどれも日本にいては経験できなかったことだから、それを「面白いな」と思うことはきっとできる。最悪の状況に陥っている自分自身をそれでもどこか客観的に「面白い状況だなあ」と思うことは、実は結構得意だったりするから。


写真は最近のお気に入りのダウンタウンにあるタイ料理屋のメニュー。タイ人同級生の「お墨付き」の店です。

2006-08-05

やられた・・・

夕方、いつものように一時滞在先のStern Hall(女子寮を夏の間だけVisitor Housingとして開放している場所)を出て、自転車駐車場所まで行ってロックをはずし、サドルにまたがるとなんとなく違和感が。あれ、こうやってハンドルを持ってブレーキを軽く握ってそのままスタートできるはずなんだけどな・・・・ん??

・・・・ひ、左手のブレーキがなくなっている(! ̄д ̄)!!

一見したところ気がつかなかったけど、その他にも

・ハンドルの軸が曲がっている(ハンドルを斜めに向けないとタイヤが前を向かない)
・右手の変速ギアが壊れている

などの不具合が。買って3日目なのに・・・

。゜。゜(ノД`)゜。゜。

一瞬、「まさかブレーキ盗まれたのか?」と思ったけど、よく見るとブレーキの金属部分が根っこからぽっきりと折られている。で、あたりをよく見回すと、道端に折れたブレーキのかけらが。一体どういう状況でこんな微妙な壊れ方をしたのか分からないけど、多分何かが(車か自転車か、あるいは人か?)がぶつかって、その勢いで折れたand 曲がった、んだろうな・・・

折れたブレーキ。こんな風に。

昼間はずっと徒歩圏内をぶらぶらしていたので、実はこの時点で既に18時。自転車屋、空いているかなあ・・・と思いつつ、とりあえず微妙な角度で自転車を押しながらダウンタウンに向かう。そう、ブレーキはとりあえず一つ生きているけど、ハンドルの軸が曲がっているからさすがに危険すぎて乗れないのだ。下り坂、乗ったらダウンタウンまで1分なのに・・・・・

懸念した通り自転車屋は既にClosed。土曜日は18時までしかやってないのね。こんなんだったらわざわざ下まで降りてくるんじゃなかった・・・と、とりあえずおやつや晩御飯を買って自転車を押しながら道を歩いていると、通りすがりのアメリカ人が「Hey! Hey!」と呼びかけてきた。「ハンドル曲がってるぜ!」みたいなことを言っている。内心、言われなくも分かってるさ!と思いながら「あー、壊されたんだよー」と言うと、そのおっちゃんはつかつかとこっちに歩いてきて、いきなり前輪を両足で挟み、そのままハンドルをぐりぐりぐりぐり~と回すと。おおお、ハンドルの位置がじわじわっと元に戻っていく~!!

「だいじょーぶ、これは壊れてないよ~」とにこにこしながら言うおっちゃん。いや、ハンドルは直ったけどブレーキは壊れてるんだよね・・・と思いながら、とりあえず「Thank you! Thank you!」とお礼を連発。おかげでとりあえずなんとか乗れるようになりました。ブレーキが片方しか聞かないし、ギアも微妙だから怖くて全速力は出せないけど。でも、乗れるようになっただけでかなり助かる。これで、今度修理に持っていくときも、延々と手押しで自転車を持っていかなくてもすむ。おっちゃん、本当にありがとう・・・・

帰り道、あーあ、買って3日でこんなことに・・・・とがっかりしながら歩いていたら、もっとオソロシイ光景を目にしてしまった。校内の外れの自転車置き場、自転車駐車用のポールにフレーム部分をU字ロックで留められたマウンテンバイクがあったのだけど・・・なんと、前後のタイヤが取り去られている!!!フレーム部分だけしっかりポールに固定されたまま、無残な姿で横たわる自転車。なんというか。これを見たときは、「ブレーキとギアが壊されただけでよかった・・・」と思ってしまった。U字ロックかけたからといって安心しちゃいけないんだね。ちゃんと、留める場所も気にしなきゃいけないんだね・・・・と認識を新たにした次第。

といいつつ、今泊まっている大学寮は敷地内に自転車用パーキングがないから、どうしても道路沿いに止めざるを得ないんだよね。こんなこと言いながら、明日になったら私の自転車もタイヤが取られていたらどうしよう・・・(((( ;゚д゚)))

2006-08-04

Run to the hilltop

マウンテンバイクは、同級生の紹介の中古自転車屋で買った。ちなみに、この当たりではいわゆる「ママチャリ」は殆ど見かけない。その理由は、実際に道を走ってみればすぐに分かる。東西に伸びるキャンパスはダウンタウンのある西から東に向かうにつれて緩やかな坂道になっているのだけど、この坂道、ママチャリは確かに厳しい。

「安いのだと100ドル以下でもあるけど、まあ、安いのはホント『それなり』だよ」とは、店を紹介してくれた同級生の言葉。キャンパスを南に1キロほど歩いて到着した中古自転車屋「Karim Cycle」で、なるほど、確かにその通り、と一人頷く。店先には90ドル、80ドル、といった中古マウンテンバイクもあるけれど、「本当にこれ、商品として売っていいんですか?」という見るからにヤバそうな状態のものが並んでいる。サドルが破れていたり、微妙にフレームが曲がっていたり、タイヤの溝が殆どなくなっていたり。

そんな中で、値段と状態で折り合いをつけて、170ドルのものを購入した。ブレーキの調子がイマイチだったのに文句をつけて、何度も調整してもらう。最後に「タイヤの空気入れの部分にキャップがついていないよ」と言ったら、「OK、OK」と返しながら、なんとその辺にあった他の中古自転車のキャップを取り外して、私の自転車につけていた・・・・まあ、いいけどね・・・・

買ったばかりの自転車で、まもなく入居予定のアパートからビジネススクールの校舎まで走ってみる。アパートから大学のゲートまで10分弱、そこからビジネススクールの校舎までも10分弱。慣れないものだからやたら信号に引っかかったり、構内で無駄に遠回りしたりしたことを考えると、大体15分ぐらいで通学可能、というところだろうか。

ただ、坂道は結構厳しい。予想していたけど、かなりキツイ。通学路全体にわたる緩やかな上り坂はまあそれなりに大丈夫だけど、校内のところどころにある「ちょっと急な坂」は結構キツイ。大したことない距離でも、上りきると思わず立ち止まって息を切らしてしまう。ちなみに私は、今回、生まれて初めてマウンテンバイクを買ったという正真正銘の初心者。右手と左手の両方に変速ギアがついているのだけど、どの程度が「適正なギア」なのかいよくわかっていないもの、無駄に体力を消費している原因なのかもしれない・・・・あとは、いまいち「正しいマウンテンバイクの乗り方」が分かっていない気もする・・・

そんな感じであちこち走り回るうちに、とりあえず、「急な坂は無理して上るよりも、徒歩だと思って押して歩いた方が楽」ということに気がついた。幸いなことに、購入したマウンテンバイクはかなり軽い。押して歩いても、ママチャリほどの重量感はない。走れるところは自転車に乗って、数箇所ある坂のキツイところはてくてくあるいて、という感じでいけば、まあこの気候だったらそれなりに気持ちよく通学できそうだね・・・・というところに、どうにか落ち着く。

そうそう、授業が始まるまでになんとかマスターしたいと思っているのが「バスの前に自転車を積む技」。大学の周りを走るバス(市が運営するバスと、大学が走らせているバスの2種類ある)は、朝は6時から夜は11時ごろまで、15分間隔ぐらいで大学の主要なパートに留まってくれるとても便利な代物な上に、学生は無料で利用することができて(まあ、授業料に含まれているんだろうけど)ビジネススクールのすぐ側にも停車する。そしてこのバスの前の部分には、なんと自転車を積むためのキャリーがついている。ここに自転車を積む技をマスターすれば、「行きは自転車をバスに乗せて、帰りは下り坂を一直線」という理想的な通学手段が実現するじゃないか!

で、街を走る度にバス停で目をこらして「バスに自転車を積もうとしている人」がいないかチェックしているのだけど、すでに「自転車が積まれたバス」は見かけるものの、なかなか「積み込む瞬間」には立ち会えない。多分、なんか技があるんだよね。ロックの方法とか。一応、その方法を理解してからじゃないと、バスの前方でもたもたして怒られたらイヤだから・・・でも、見当たらない。あれだけたくさんの自転車が走っているのに、一体何故?みんな平気な顔をして坂道を登っていくのは、一体何故?

というわけで、誰か「自転車の積み方」を知っている人がいたら、教えてください。サンフランシスコとBerkeleyを結ぶ地下鉄BARTは、そのまま電車の中に自転車を持ち込めるみたいなんだけどね・・・

2006-08-02

Berkeley到着、そんでもって生活立ち上げなど

北京を経由して7月30日、China Airでサンフランシスコ国際空港に降り立った。出発前の日本で感じていた疲労感は、北京の夜で飲んだくれて、アジアの熱気の中に身を浸したことで、すっかり拭い去られてしまった。単純なもんです。

そんなわけで到着したサンフランシスコは、雲ひとつない晴天。これまでの2度の滞在でも感じていたのだけれど、この地域の日差しは本当に「太陽の種類が違うんじゃないか」なんて思ってしまうくらい、とにかくまぶしい。それでいて不思議なことに、それほど暑くはない。日差しのまぶしさからは想像できないほどに空気はひやっとしていて、日中全力で歩いても殆ど汗をかかない。夕方になるとTシャツ1枚では寒くて外を歩けないくらい。

到着初日にはいきなりルームメイトと家を見て周り、そこで家をほぼ決定。。翌日は銀行口座を開いて、携帯電話を契約。で、本日はビジネススクールのアドミッションオフィスでBerkeleyの地図を入手し、学生証を作成して、自転車を購入。合間にダウンタウンの店を見て回りながら、ビルケンシュトックのサンダルも購入。

まさにリアルRPG、なんてことを思いながら、自転車で街を走り回る。自転車はスバラシイ。これで一気に行動範囲が広がったもんね。徒歩でフィールドを歩いていたのが、チョコボをゲットしたようなもんだ。飛空艇(=車)を買うかどうかは、とりあえず検討中。買うにしても、まあ様子を見ながら、よさそうな物件が出たら、と考えている。

それにしても、手続きやら家探しやらでばたばたと走り回ったここ2、3日だったけど、それほどストレス感がなかったのは何故だろう。一つには、「新しい生活を始める」という期待感がストレスを軽減させているというのがあるのかもしれない。でも、日本で出発のための準備をしているときは、同じ「新生活」への準備であったにも関わらず、なんだかとても疲れた気分になったものだ。

やっぱり「気候」は大きいのかな、と思う。なにしろ、とにかく天気が良い、それでいて歩き回ってもほとんど汗をかかない。歩き疲れたら道端の木陰に入ってしばらく休めばすぐに体温も下がって体も回復する。何より、気候がすばらしいものだから、歩く(そして自転車で移動する)だけで楽しい。

ちょっと「ずるいよなあ」などと思ってしまった。いや、私自身もこれから2年間ここに住む身なんだけど、生まれたときからこんな環境で暮らしていたら、随分と不要なストレスの少ない生活を送れるんだろうなあ。

以前、梅田望夫さんの講演を聴いたことがあった。講演の中で、「シリコンバレーという地域があれほど沢山のベンチャーを生み出した要因はなにか」というお題を掲げ、その要因として優れた大学機関(スタンフォードとかね)との連携やカリフォルニアに根付くフロンティアスピリット、などなど、幾つかの要素を挙げていた。そして最後に、冗談のように「あとは気候ですね。あの気候で暮らしていると、とにかく前向きに、失敗してもなんとかなるだろう、という気持ちになれる。それが、人々をベンチャーへの挑戦に積極的にさせると思いますね」と付け加えた。聴衆もみんな、「軽い冗談」的な受け止め方をして、暖かく笑っていた。

でも実際に来て見ると、「気候が人の思考を決定する」ってのは、あながち嘘ではない気がしてくる。朝起きて、目が覚めて、「よし、とりあえず外に出かけよう」と思える環境というのは、色々な意味で人を前向きにさせ、新しいものを作り出す方向へと駆り立てていくのかもしれない。



ま、授業が始まったら、そんな能天気なことは言ってられないのかもしれないけどね・・・



上の写真はこれから2年間お世話になるビジネススクールの校舎。

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