2007-01-30

From 8 to 6

1コマだけの月曜日とは打って変わって、火曜日は何と4コマも授業が。朝8時から夜6時まで、間に休憩を挟みつつ全力で飛ばすと、さすがに疲れます。「お試し期間」に1日4コマを試していて、さすがにこれは厳しいかな、と思い一旦は3コマに減らしたものの、最後の最後で滑り込みでもう一コマとってしまった。しかもOverload Request(学期の規定の単位数をオーバーしてとること)までして・・・

追加で取った1コマはReal Estate。ファイナンス系の授業では「この企業の価値は結局なんぼや!」ってのをやるわけですが、こっちは「この不動産の価値はなんぼや!」の世界です。ちょっと興味があった&Berkeleyはこの分野が結構強い、というので取ってみようと。

教えるのは、教授陣の中でも結構若手(に見える、見た目は)のThomas Davidoff 。歯切れのよい口調、そしてかなりの早口。情報量の多い、うーんコンサルっぽいなあ(笑)という話し方。いろいろな実例なんかを織り交ぜて話すので、話の内容はかなり面白いし、人をひきつける力はかなりのもの。

ただし、英語の早さはかなりきびし目。正直、ちょっと気を抜くとあっというまに何を話しているかわからなくなる。今期取っている中でも、最も「英語についていくのがしんどい」授業だ。といいつつ、内容に惹かれて取ったわけですが。

しかもこの先生、やたら話が回りくどい。比喩とか事例とかを使って「なるべく無味乾燥にならないように」と進めるのはいいんだけど、時々「まずは最初に答えとポイントをざくっと言ってくれー!」という気分になる。

例えば、本日の授業で出てきた「Loan To Value」という言葉についての解説の時。これは不動産の価格に対する社債の発行額の割合で、ポイントとしては「この数値が低いほど安全」というもの。最初にこの定義をずばっと言ってくれればいいのだけど、例えばこんな風に話を始める。「君が投資対象としての不動産を買おうと考えているとしよう。Berkeley? San Francisco? あるいはMonterey?さて、いくつかの候補が挙がってきた際に、君ならどんな尺度で購入の判断を行う?利回り?それも勿論重要だ。他に見るべき点はないか?安全性?そう、安全性は重要だ。じゃあどうやってそれを計る?・・・・」

・・・本題にたどり着くまでが長いよ・・(ノД`)

これ、日本語で聞いている分には具体的だし、話のテンポもいいしで面白いと思うんだけど、英語でこれを追っかけるのはかなり大変。「ポイント、話のポイントはどこ!」と叫びたくなってしまう。

まあでも、当然のことながらネイティブの学生の評判は非常に良い。「あの先生Coolだな!」みたいな感じです。

2007-01-27

Up to date

月曜日は授業が一つだけなので、そのうえ午後からなので、気分的にかなり楽。月曜の朝に授業があった先学期は、日曜の夜に「ああ、あれもやらなきゃこれもやらなきゃ・・・」という気分になったけど、不思議なもんで「月曜日の午前中があるや」と思うと、日曜の夜が不思議と気楽に過ごせたりする。会社も、月曜日は午後から開始になったりしませんかね・・(無理)。

で、月曜日はCore科目のマクロ経済。理系の私にとってみれば、経済学なんて高校の時の現代社会以来じゃないだろか・・・(大学の教養課程で勉強した内容なんて、一切合財覚えていませんさ・・)。需要と供給、IS-LM曲線、ケインズの交差図、といった、内容的には多分大学の経済学部でやるようなこと。ただ、面白いのが、出てくる事例がup to dateなこと。遥か彼方の記憶で「1930年代の大恐慌のときは~」なんていわれても全然実感わかないけど、1990年代の日本の不況とか、最近のアメリカの経済政策とか、リアルで通過してきた時代の考察ができる、ってのは結構面白い。1990年から2000年にかけての日本の不況は、1930年代のアメリカの大恐慌と非常に似通った特徴を示しているそうです。

以前、ポール・クルーグマンの日本がはまった罠ってのを読んだことがあって、その当時は流動性トラップの話って「ホントかよ!そんなのアリ?」みたいな論調が多かったような気がする。でも、今使ってるテキストには、しっかりその話も載っていた(勿論、経済学者の中にはこれに異論を唱える人もある、っていう注釈つきだけど)。私の中では、大学で使ったテキストにのっている理論とか数式は、大概数十年単位での昔のもの、というイメージがあったのだけど、こんな風につい最近の出来事とか、そのイベントを分析した内容がのっている、というそのリアルタイム性にちょっと感動。

あ、上に上げた山形浩生氏のページにある、クルーグマンの論文の翻訳は面白いです。

2007-01-22

落第級仕事人の集積地

アメリカのサービスのいい加減さについてはあちらこちらで書かれているようだけど、本日はその総本山とも言うべきDMVに行ってきた。DMVとはDepartment of Motor Vehiclesで、日本でいうところの運転免許センター+陸運局の事務所、みたいなところ。免許の取得やら車の登録やら、車に関する作業を一手に担っているお役所。ワタシの目的はTemporaryの免許証の発行。DMVで筆記試験に合格して、かつ日本の免許証があれば、Temporaryの免許証を発行してもらえるのだ。9月に筆記試験を受けて、そのあとしばらくほったらかしになっていたのだが、ようやくちゃんと免許をとるかと重い腰を上げたところ。

ちなみに、アメリカには「自動車教習所」なるものはない(プライベートで、ドライビングレッスンをやってくれるサービスはあるようですが)。免許を取るには1.筆記試験をうける、2.筆記に合格したら路上試験を受ける、3.免許取得、というステップ。1と2の間には、免許を持っていないにも関わらず、自分で練習して路上試験を受けましょう、という前提になっているようです。しかも、3の路上試験を受ける際には自分で車を持ち込む必要あり。一応、「同乗者に運転してきてもらう」ことが前提のようですが、それにしてもあまりにアバウトな・・・・

さてこのDMV、サービスのダメっぷりには定評あり。渡辺千賀さんの「ヒューマン2.0」の中でも「生粋のアメリカ人でも頭をかかえる落第級仕事人の集積地」なんて書かれているくらい(落第級仕事人の定義は「要求されたことを要求されたとおりに実行できない」だそうで)。日本では公的機関のサービス精神のなさを「お役所仕事」なんて揶揄するけれど、このDMVこそまさに、お役所仕事も極まれり、という感じ。

窓口に行って筆記試験の合格証と日本の免許証を見せ、「Temporaryの免許を発行してください」というと、キーボードをかちゃかちゃとたたいたお姉さんが困ったような顔をしている。何だ何だ?と思っていると、私に向かって一言「あなた、筆記試験は合格している?」

ハア?合格しているもなにも、私がアナタに差し出したのは、筆記試験を合格したときに貰った紙なんですが。そういうとお姉さん、「うーん、でも、コンピューターにあなたの合格データが入っていないのよね」

ちょー。ちょっとまってよー。なにさ、それ。ちゃんとここに書いてるじゃん!とまくし立てる私を横目に、お姉さんは奥の方にいたちょっと偉そうな感じの上司Aをつれてきて、なにやら相談している。キーボードをいろいろと打ち直したり、困ったわねえ、なんて言ったり。まさかここに来てもう一回筆記試験?それだけは避けたい。大して難しい試験ではないけど、でも一応直前にちょこっとは勉強しなくちゃいけないし、何よりそんなめんどくさいことはイヤだ!

内心かなり焦るワタシを尻目に、困ったわねえ、なんてCrazyなコンピュータなんだ、これを入力した担当者はFuckinだ、などと機械と入力者を責めるお姉さんと上司A。日本とは異なり、ここで客(ワタシね)に「申し訳ありません」なんて言葉は当然ない。彼らにしてみれば、自分たちのせいじゃないのにトラブルに巻き込まれて、全くメンドクサイわねー、なんて気分なんだろう。

とりあえず、どうでも良いからもう一回試験を受けるのだけはイヤだ!と祈っていたところ、どうやらその最悪の状況は避けることができたみたい。どういう裏技を使ったのか、コンピュータのワタシのデータを「筆記試験合格」に書き換え、無事にTemporaryの免許証をゲットすることができた。

さて、ワタシの手元には紙の合格証明書があったにも関わらず、コンピュータにはデータが入力されていないという奇妙な事態。なんでこんなことが発生したのか。お姉さんと上司Aの推測は、以下のとおり。

私の筆記試験の結果を受け取った職員が、コンピュータに合格データを入力する。

合格データの入った証明書をプリントアウト

プリントアウトされた証明書を取りに行く

戻ってきて、データをセーブせずに、プロセス終了


・・・・・Σ(゜д゜lll)

・・・・・Σ(゜Д゜)


ありえない。まったくもってありえない。初心者の使うワードじゃないんだから。プリントアウトしに行く前にセーブしろよ、ていうか、セーブしてないのにプリントアウトできるようなシステムにしてること自体が・・・・orz

そんなところです、DMVってのは。ちなみに、最初に試験を受けに行ったときも、「あ、免許はSSN(ソーシャルセキュリティナンバー:アメリカ版住民基本台帳番号みたいなやつ)がないと取れないから、まずそれを取得してから来てね」と追い返されそうになった。これは全くの間違いで、SSNが取れない留学生なんかはナシでも免許の試験を受けられる。その時は、隣の窓口で手続きしていた同級生を指差して「彼もSSNないけど、あっちは手続きしてるじゃん!」と食い下がり、事なきを得た。こんな風に、明らかに間違っていることを何の疑問もなく遂行しようとする素敵なアメリカのお役所。これに比べりゃ、日本のお役所なんて全然マシ(そもそも、ここ最近、特に市役所なんかのサービスレベルの向上には目を見張るものがあるしね)。

ともあれ、なんとかTemporaryの免許をゲット。あとはこの勢いが衰えないうちにさっさと実技試験を受けてしまって、早いとこ免許をゲットしなければ。

New semester

新学期の、最初の1週間が終了。今学期からCore(必修)に加えて選択科目が取れるので、最初の1週間はみんな様子見で履修登録していない科目なんかにも出席している。最初の週なのでまだそれほどAssignmentとかは無いものの、そんなわけで結構な数の授業に出るので、結構消耗した1週間。さすがに1日4科目授業受けた日は、最後の方で疲れがピークに達したのか、なんと授業中に鼻血が・・・・小学生か、ワタシは。

今学期のCoreはオペレーションとマクロ経済。で、選択はManagirial Accounting、Financial Information Analysis、そしてFinancial Modelign。最初のはいわゆる管理会計(これ、大概のビジネススクールでは必修になっているみたいなんだけど、うちは選択だった・・・)、2個目はバリュエーションとか10Kや10Q(いわゆる、アニュアルレポートですな)の読み方とか、ratio analysisとかそんな感じ。最後のは、ひたすらエクセルにかじりついてモデリング、というもの。なんかもう、ものすごい勢いでファイナンス系で固めてしまって、さすがにちょっと息抜きがほしかったため、最後にCSR Speaker seriesというものを付け足してみた。Speaker Seriesとはその名のとおり、毎回いろんなゲストスピーカーがきて、その話を聞く、という講座で、成績は付かず出席とレポートでPassがもらえる、という美味しい講座(ただし、1タームに1つまでしかとれない、とか制限がある)。PEとかTechとかテーマがいくつかある中で、ワタシはCSRを選んでみた。しばらく遠ざかっていましたが、久々にこのあたりの知識もアップデートしておこう、と。

新学期のばたばたした空気の中、学校は就職活動モード一色に。最近の会話といえば「ひさしぶり!」「冬休みどうだった?」「就職活動はどう?」がほぼ定番に。サマーインターンに向けての就職活動はとりあえず終了、のワタシは「いいねえ~」という言葉を笑って受け流すものの、その分11月は死にそうだったんだから・・・と内心こっそりつぶやいてみたり。

そんな感じで、新学期がスタートです。

2007-01-15

International CES 2007

忘れないうちにラスベガス・CESの感想など。

CESというのはラスベガスで開催されているConsumer Electronicsの展示会(どうしてCESっていうのかは良くわからない・・・)。各企業がブースを構えて新製品を展示したり、イベントやったり、カンファレンスがあったり、という奴なのですが、日本との違いは規模が半端なく大きい。今回のCESの予想来場者数は4日間で16万人!Berkeleyの人口10万人を大きく上回るその規模。

当然、航空券やホテルの取り合い競争も激しく、ホテル側もかなり強気な値段設定。ラスベガスのホテルって、普段は高級ホテルでもそれほど高くない(カジノで儲けるから)のだけど、CESの期間中は通常時の3倍~4倍ぐらいの値段設定にされていたから、驚き。かつ、その値段でもなお、ホテルを確保するのが難しいらしい。

展示の目玉の一つは、やはりシャープの世界最大108インチ液晶、でしょうか。ここ数年、ディスプレイ業界はひたすら「数インチを競う巨大化競争」だったみたいだけど、今年はシャープが108インチを出して誇らしげに「World Largest LCD」と展示されておりました。正直、100インチを超えるディスプレイってどれだけ需要があるか謎なんだけど・・・ここまでくるともう、メーカーとしての意地なんだろうなあ、と。

108インチがどれほどの大きさかは、隣に立っているおねーさんを見てもらえば実感できるかと・・・

日本企業もいろいろブースを出してたけど、印象に残ったのは韓国勢の勢い。会場内で巨大ブースを確保していたSamsungとLG、この二つ、私は今回始めて知ったのだけど、液晶(LCD)とプラズマの両方を生産しているのだ。「世界最大」には及ばなかったけど、どちらも100インチクラスまでの液晶とプラズマをずらずら~っと展示。

ご存知の方もいると思うけど、液晶とプラズマって生産工程が全然違う。で、どちらも結構な規模の投資を必要とする。日本だと液晶はシャープ、プラズマは松下が注力して大型パネルを生産しているけど、SamsungもLGもどちらも100インチクラスの液晶・プラズマパネルの両方を生産している。行ってみれば、シャープと松下の両方を一つの企業の中に抱え込んでいるようなもんでしょうか。恐るべし、韓国企業。

これ、上の方に展示されている奴も32型とか40型なんですが、下の100インチと並べられると、全然そんな風に感じないのが恐ろしい・・・

パネルディスカッションなんかもいくつか聞いてきました。テーマはそれぞれ違ったのですが、共通して出てくるキーワードは結構同じだったりして、その辺はなかなか面白い。良く出てきたのは「User Experience」「User Generated Contents」「Social Network」ってあたりですかね。特に最初の「User Experience」はもうこれでもか、これでもか、と。日本ではまだあまり使われていない感じの言葉ですが、こちらではすっかり当たり前のよう。

2007-01-13

あけましておめでとうございます


いまさらですが、年の初めの決まりごと、ということで。今年もよろしくお願いします。年も改まったということで、テンプレートなど変えてみました。

去年1年いろいろあったなあ、と振り返っていろいろ書いてみようと思っていたのだけど、気がついたら来週から授業開始で、しかもこの週末にやらなきゃいけないことが沢山で、そんな余裕もなく新学期が始まりそうな予感。まあ、時間のあるときにでもあらためて。

ちなみに年末年始は、LA在住のビジネススクール仲間(かつ去年からの受験仲間)のイトゾウ氏とメキシコへ。ユカタン半島の遺跡めぐりと、カンクンの近くにあるコズメルという島でのダイビング三昧でした。カンクンといえばアメリカ人の定番のリゾート地、ということで、やや観光化されすぎている感じはありましたが、何を食べてもおいしい、ありえないぐらい海が綺麗、というすばらしいところでした。湿度が高いからビールがおいしいったら。メキシコ旅行記、これもまた改めて。

で、戻ってきたその足で再びラスベガスに。といっても遊びに行ったわけではないですよ。CES2007というConsumer Electronicsの展示会がラスベガスで開催されておりまして、とある事情でそのお手伝いに行ってきたのです。日本から来た人たちのご案内。3日間で16万人が来場する、というものすごい規模のイベントです。ちなみにBerkeleyの人口は10万人なので、それより多い。ラスベガスで3日ほど過ごして、ようやく本日Berkeleyに戻ってまいりました。

さて、今年の目標はストレスのコントロール。ストレスを無くそう、とはあまり思わなくて、適度なストレスは自分を成長させるためにも必要だけど、それが過ぎるとあまりよくないよな、ということを、年越しのメキシコで考えておりました。

その昔、友人に「どんなに前向きな変化であっても、環境が変わると必ず人はストレスにさらされる」ということを言われて、そのときはふーん、そんなものかな、と思っていたのだけど、今になってその言葉の正しさを実感しています。特に、自分が望んで起こした変化の場合だと、ポジティブな気持ちとストレスを感じている状況が相反するため、自分自身がなかなかストレスにさらされていることを気づきにくい。

そんなことを実感できたのも、年末年始になって時間の余裕ができて、新年の挨拶で久しぶりの人に年賀メールを送って、それがきっかけでちょっと話したりして、そんなことをぽつぽつとやっているうちにようやく、という感じ。あー、渡米してから5ヶ月、結構いろいろなストレスにさらされてたんだなーと。

私は基本的に、自分の中のマイナスのエネルギーを嫌う部分があって、自分がストレスにさらされている、といったネガティブなことには目を瞑りがちなのだけど。でも、そういうネガティブな部分もきちんと認識しておかないと、コントロールはできないよなあ、と改めて思った次第。自分の状態をきちんと把握しながら、ストレスのコントロールをしていきましょう、というのが今年の目標です。

あ、あと、ストレスをコントロールするためには「逃げ場を作る」のも重要だな、と思います。なので、逃げ場を確保する、ってのも今年の目標かな。

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