2006-05-10

サンフランシスコ→成田:ブロッケン現象再び

アメリカ大陸を横断した長い旅もようやく終わりに。最終日のフライトは正午丁度発の全日空便。そういえば、国際線で日系の飛行機に乗るのって、実はこれがはじめてだったりする。学生のころはとにかく安さ優先だったし、出張もフライトの都合からかなぜか海外の航空会社ばかり。

さて、アメリカ西海岸→日本のフライトといえば、期待するのはブロッケン現象。Life is beautifulの説明より引用させてもらうと

ブロッケン現象は、雲とか霧に映した自分の影の周りに見える小さな虹色の輪のことである。原理は通常の虹とは大きく異なりそれを見るための条件は虹よりもずっと厳しい。太陽を背にして、自分の影を雲か霧に映さなければならないのだから大変だ。

というもの。昨年11月のアメリカ出張の時に初めてこの現象を観測したのだけど、どうやらサンフランシスコ発日本行きのフライトは「太陽を背にして自分の影を雲に映す」という条件にうまく当てはまるらしく、上手くいけば今回も観測できるぞ、と出発前から期待に胸を膨らませる。

窓際Jの席(太陽が進行方向左手から照りつけるので、進行方向右下に飛行機の影ができる)をしっかりキープ。ポケットはデジカメ、離陸直後から額を窓にはりつけて外を観測。機体が高度を上げるにつれて、霧の中にぼんやり浮かぶゴールデンゲートブリッジが次第に遠ざかり、やがてその景色は空の青と雲の白の二つの色に占められる。

ところが。雲が無い、のだ。上空は一面の青空。巡航高度7000メートルに達した機体の下に広がるのは、薄くまばらな雲ばかり。たまに雲海が広がっている場所もあるのだけど、なぜか私の乗っている飛行機の経路下には雲がない。これじゃあ観測できないよ・・・・とがっかりしているうちに、機内食タイムも終わり、機内の明かりが消され、窓が徐々に締められ、みんなお休みモードに入りはじめる。ううっ、私は外見てたいんだけど・・・と思うものの、薄暗い機内で一人窓を開けるだけの勇気もなく、仕方なしに窓を閉める。あーあ、今回はダメかなあ、などと思いながら、映画を見ていた。

映画にも飽きたころ、気分転換とトイレをかねて座席を立った。機体後方でストレッチなどしながら、ふと非常口の窓を空けて外をのぞいてみる。最後部だからここなら空けてもよかろう、とふんで。先ほどよりは若干雲が増えているものの、「一面の雲」とまではいかない。窓からは丁度、自分の機体の影が見えているという、ブロッケン現象が発生するには絶好の日なのに。そんなことを考えながら、あきらめきれずに外を眺めていると、これまでよりは若干雲が厚いゾーンに機体がさしかかる。目を凝らしてみると、機体の影がうっすらと見える。こ、これはもしかするといけるかも、デジカメを握り締めながら外を見ていると、予想通り白い雲の上に、小さな円形の虹を発見!

画面中央下部に小さな円形の虹。これがブロッケン現象。

上の写真を撮影してから、しばらく時間が経過した後のもの。

よく覚えていないのだけど、30分ぐらい窓際にはりついていたような気がする。もう少し虹がくっきり見える「良い雲」がこないかと待ちながら写真を撮り続けていたのだけど、結局雲の状態はあまり変化することなく、機体の下に広がるのはまばらな巻積雲ばかりだった。まあそれでも十分に堪能したので、窓を占めて自分の席に戻る。早速PCを開いて撮影したばかりの写真をアップで見てみると、うん、我ながらなかなか良く撮れているじゃないか。大きさは小さいけど、前回(下写真参照)に比べて虹の写りもよりくっきりしている。まあこれは撮影したカメラの違いもあるかもしれないけど。

こちらが昨年11月に撮影したもの。画面中央部分にうっすらと虹が見える。

というわけで、「西海岸午後発日本行き」のフライトは、条件さえそろえばかなりの確率でブロッケン現象が観測できるんじゃないか、と思う(いや、私もまだ2回しかみてないけどね)。このあたりのフライトを利用される方は是非お試しあれ!

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