2006-03-25

騒がしい未来へ




昨日は後輩と飲み。なんと5年ぶりの再会。

ホントは赤鬼に行こうと思ったのだけど、18時の時点で既に満席ということが判明。ここは日本酒の品揃えがスバラシイのです。私の大好きな〆張鶴の大吟醸もあるのに。残念っ!

そんなわけで三軒茶屋の駅から歩くこと約10分、三宿の海楽に到着。こちらは魚の美味しい和食系居酒屋。2年ぶりぐらいにきたのだけど、なんとここでも〆張鶴を発見!純米吟醸だったけど、それでも十分だよ!スバラシイ、スバラシイよ海楽!

鯛の酒蒸し、刺身の盛り合わせ(鰆を刺身で食べたのって初めてかも)などつつきつつ、ひたすら飲みながら昔話。なにせ5年ぶりということで話題はどうしても「昔話」と「5年の間の変化」になってしまう。5年前は指しで飲むような機会もほとんど無かったので、正確な「変化」を判断することはできないけど。そんな私の目から見ても後輩は、5年間の間にいい意味で大きく変わったなあ、と。いろんな意味で「殻を破った感」があって、知り合いのそうした変化を目にすることが出来たことに、なんだかとても嬉しくなってしまった。



5年前の今頃は丁度、卒業式を終えて大阪から東京に向かっている頃だった。3月末に都立大で開催された精密工学会での発表が学生生活最後の仕事。宿泊先の橋本のホテルとか、日吉の友人の家とかをふらふらと放浪した挙句、3月最後の週に青葉台の寮に到着した。新横浜から北に伸びる横浜線に乗りながら、どんどん「田舎度」を増していく景色に「横浜のイメージ裏切られまくり!」とショックを受けた覚えが。横浜=海、港町、中華街、というイメージだったので。「神戸にお引越し☆」と思ってきたら、神戸市北区に来てしまったようなものだ。

東急田園都市線の殺人的な朝ラッシュに驚き、終電が大混雑するという事態に驚き(大阪では終電はあんなに混みません!)、東京弁に引きまくり(といいつつ、すっかり今では使っているのだけど)、食事の高さに驚き(ランチが1000円からってありえない)、そんなこんなで驚きの毎日。怒涛のごとく社会人生活が始まって、配属2日目から終電帰りってどーいうことよ!、とか思いながらも、いつの間にかそんな暮らしにも慣れ、気が付けば5年が経過していた。

仕事では何度も修羅場をくぐり、ストレスと忙しさで体を壊したりつつも、忙しい中で「なんとかやっていく」ことにもそれなりに慣れた。2年ほど前にあることがきっかけで、「そうだ、留学しよう」と思い立ってからは、仕事と受験勉強の両立に四苦八苦。体力的にも精神的にもかなり厳しかったけど、とても価値のある2年間だったと思っている。誰かにMBA受験のプロセスを経て得られたものは“友人”と“感謝の念”」という話を聞いたことがあるけど、全くその通りだな、と思う。数え切れないほどの素敵な人たちに出会えた。色々な人に助けてもらいながら、なんとか受験のプロセスを乗り切ることができた。

同時に、損なわれてしまったものもある。「一度損なわれたものは、それが全く消滅してしまうとしてもやはり永遠に損なわれ続けるんだ」とは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の言葉。そんな風にして自分の中から損なわれたものは、もう二度と取り返すことはできない。

大学生の頃、バイトでやっていた塾講師仲間と時々、こんな話をしていた。「小学生や中学生の子供は数年で驚くほど成長する。それに比べて自分たちは、数年経っても全然代わり映えしないなあ」と。だらけた自分たちの生活を自嘲するようにそんなことを話していたけれど、今にして思えば、そうした日々ですら何らかの形で「変化」をもたらしていたのだろう。目に見えた変化はそれほど大きくないかもしれない。それでも、月日は確実に人を変える。

考えようと考えまいと、時は進む。変わっていようと変わってなかろうと、年を重ねる。変化に思いを寄せることに意味はないのかもしれない。それでも、時々自分の歩んできた道を確認したくなるのは、それだけが未来への不安を取り除いてくれるからなのかもしれない。5年前の私が今の私を全く予測できなかったように、今の私も5年後の私を予測することはできない。いや、どれだけ予測しても、全く違うところに流れ着いている可能性だって大有りなのだ。5年後、私はどこで何をしているのだろう。



スピッツのチェリーの一節が昔から大好きだ。

きっと 想像した以上に 騒がしい未来が 僕をまってる

そうだといいな、と強く思う。何が起こるかわからない、予測のつかない未来だけど、それでも「騒がしい未来」に向かって飛び込んでいける、そうした環境に恵まれたことは、本当に幸せなんだな、と思うのだ。


2 comments:

Anonymous said...

最近驚いたのが、大学入学当初の自分の字を見た時。
今と結構違うんです。
それを見て、自分自身で見えない部分もずいぶん変わったんだろうなぁと思いました。

塾にしても7年やってても「まだまだやなぁ」というところがたくさんありました。
でも最初に比べたらマシになってることは事実です。
ってことはあれだけ毎年毎年同じことをぐでぐでとやってるようで、ちゃんと成長してたんやなぁと思います。

本当に時間って待ってくれないんですね。
5年前のとりぞうさんと、今の私は全く同じ状況なので、かなりダブらせて読ませてもらいました。

torizou said...

あーそうだねー。自分では気が付かない変化を、人に指摘されてびっくりしたりするよね。

いやそれにしても。アナタの5年後は本当に楽しみです、ふふふ( ̄ー ̄)。

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