以前にも書いた、最終学期に取ってたBehavioral Financeからのネタを一つ。
この授業のトピックの一つにあったのが「バブル」。バブルに巻き込まれた投資家には、どんな心理的バイアスがかかっていたのか、というような話をしながら、教授が言った一言。
「ITバブルとか不動産バブルのときに、ありえないような高額の株や不動産に投資した投資家は、その株や不動産が本当にそれだけの価値を持っていたと信じていたと思いますか?そんなことはない、投資している彼ら自身も“いやあ、どう考えてもこの株/不動産にこの価格がついてるのはオカシイだろう”と思いながら投資していたんですね。じゃあなぜそれでも投資したか。それは“この株/不動産をこの値段で買う俺も莫迦だけど、世の中にはこれをもっと高値で買ってくれる自分よりも莫迦な奴がいるに違いない”と思っていたからですね」
自分よりも莫迦な奴がいるから、自分は売り逃げできる。単純といえば単純だけど、バブルを支えていた裏にあったのは、まさにこんな「自分に対する過剰な自信」だったのかも。
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授業の中で行われた実験。クラス全員に配られた小さな紙には「上位25%、25%-50%、50%-75%、75%-100%(下位25%)」と書かれている。「さて、このクラスの同級生の顔を見渡して、自分の車の運転技術が、このクラスの中でどの程度に位置しているか考えてください。考えた結果を、4つの選択肢から選んで、提出してください」結果、4割程度の生徒が上位25%を、8割程度の生徒が上2つの選択肢(上位50%まで)を選んでいた。気持ちは分かる。「私の運転はそんなに傑出したものじゃないけど、でもまあみんなと比べたら並以上ではあるだろう」私もそう思ったもの。
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どれだけ冷静に判断しているつもりでも、人間は基本的に自分に対してOverconfidence。「そうは言っても私だけは別」という思考パターンに陥ったその時こそ、一番自分自身を疑ってかかるべきで。
・・・とはいうものの、たまには自分にも他人にも全力ではったりかまさなければやってられない時もありますがね(笑)
Let bygones be bygones. Life goes on, and so must we!
2008-06-04
Overconfidence
Posted by torizou at 00:00
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- torizou
- 尼崎に25年。その後横浜→Berkeleyを経て再び東京に。 飛行機(陸上単発)とグライダーの自家用操縦士。投資銀行の中の人。
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