2007-05-28

遠い汽笛

全ての荷物がなくなったアパートの部屋は思っていた以上に広く、静まりかえっていた。たいした家具があったわけじゃない。机と椅子、ベッド、それに本棚。留学生御用達のIKEAで買ったそれらは、よく言えばシンプル、けれどつまるところは大した特徴も持たないモノたちで、強い自己主張をすることもなくひっそりと部屋に収まっていた。なのにそれらが無いだけで、10ヶ月余りを過ごした10ft平方の白い部屋の空気は、まるで知らない部屋のそれのよう。昨日まで自分がそこに暮らしていた痕跡が跡形もなく、一瞬、10ヶ月前にタイムスリップしたような錯覚を覚える。10ヶ月前の夏の夜、何も無い部屋の中で、さて、これからどうなるのだろう、と途方に暮れていたことを思い出す。本当にあれから10ヶ月が経過したんだろうか。もしかすると今までのことは全て幻で、私はやっぱり2006年8月のあの部屋にいて、ここから始まることへの期待と、先の見えない不安を抱えつつ、やけに高く感じる天井を見上げているのかもしれない。遠くの方で響くアムトラックの汽笛が、現実感を狂わせ、まるで夢の中にいるような。

やるべきことは山のようにあって、だから部屋に対する要求は必要最小限のことだった。学校に近くて、安全で静かなエリアで、清潔な部屋であればOK。渡米前からルームメイトとチェックしていた物件を、渡米当日に見学して、その場で決めた。学校からバスまたは自転車で15分ほどの、静かな住宅街。裏庭に面したキッチンの採光がよいところ、アメリカの物件には珍しく4口のガスコンロがあるところも気に入った。洗濯機が屋外ながちょっと不満だったけど、これはこちらの家では珍しいことではない。家賃1500ドルを超える比較的high classの物件であってさえ、ランドリーが共有、というのも珍しくないのだから、専用の洗濯機があるだけでもありがたいというもの。

そこからすぐに学校が始まって、秋学期はめまぐるしく過ぎていった。家が「寝るか、作業するかの場所」なのは、横浜にいたころとあまり変わりないな、と苦笑することしばしば。春学期になってようやく、「暮らしている」という実感がわくようになってきた。具体的に言うと、料理を作ったり、友人を招いてくつろいだり、そうした小さな日常の積み重ねがあってようやく、自分がここに住んでいるということのリアリティを感じるようになってきた。横浜に住んでいたころは、「うち、電子レンジも炊飯器も無いんです」と言っては人に驚かれていたけれど、意外にも料理は結構はまった。作業の結果がダイレクトに結果につながる、という明確さが面白かった。

時々無償に人恋しくなる反面、人と話すこと、関わること全てが億劫になり、全ての情報をシャットアウトして自分だけの世界に引き篭もりたくなる、そんな自分の性格を知っていたから、他人と一緒に暮らすということにはやや不安があった、だが、不安は杞憂に終わった。共同生活者として気を使いつつも、深くは鑑賞しない。そんな適度な距離感がよかったのかもしれない。扉越しにうっすらと人の気配を感じながら、台所に立ってコーヒーを入れる。マグカップに入れたそれを静まり返った部屋で飲みながら、こういう時間は悪くないな、と思う。電話の話し声も、テレビから流れる音声もとてもひそやかで、そして遠くからアムトラックの汽笛の音。

一つの季節が終わって、次の季節が始まる。そんなことの繰り返し。あともう少しすれば、私は東京の喧騒の中にいて、この何も無い、静まり返った部屋で過ごした時間を、懐かしく思い出すだろう。その時になって初めて、10ヶ月という時間が過ぎたことを実感するのかもしれない。でもまだ今は、夢の中。遠くの汽笛はまだ止まない。

2007-05-24

いろんな意味でありえない

1ヶ月ほど前にBay Areaを騒がせたニュースといえば、高速道路のメルトダウン事件。サンフランシスコからベイブリッジをわたった直後のジャンクション、通称"マッカーサー・メイズ"を通過中のタンクローリーが横転し、搭載していた燃料に火がついて炎上。このあたりは複数の高速道路が立体交差になっている場所なのだけど、この炎上した炎と熱で上の高速道路が炙られたような形になり、なんと鉄骨がとけて道路が崩落。

こんな感じで大炎上し



その結果、こんな姿になってしまいました。高速道路が飴のようにぐにゃりと曲がっている。なんというか、いろんな意味でありえない。

さて、事故当初は復旧までに早くて8週間、下手すると数ヶ月かかる、といわれていたのだけど、Bay Areaローカル放送局のウェブサイトを見ると、なんと本日から復旧するとのニュース。事故から約1ヶ月。正確には、工事事業者が決定したのが5月8日なので、実質の工事期間は20日弱。これまた、いろんな意味でありえない・・・・

一体どんな裏技(?)が使われたのか。ポイントは、この復旧工事の報酬の仕組み。

サンフランシスコ、イーストベイ、サウスベイをつなぐマッカーサー・メイズはBay Areaの交通の要所。復旧が遅れると、その経済的損失は非常に大きい。ということで、復旧工事の事業者選定にあたってカリフォルニア州は、予定よりも早く完成した場合に対してのインセンティブ制度を設けた。当初の工事完成予定日は6月27日。ここから、完成日が1日早まることに、建設事業者は20万ドル(約2400万円)のインセンティブを受け取れる。逆に、6月27日から完成日が1日遅れるごとに、事業者は州に1日20万ドルあたりを払わなければいけない。

復旧工事を落札したのはCordova firmをいう建設会社。落札価格は86万7000ドルで次点になったCalifornia Engineering Contractors Inc.の110万ドルよりかなり抑え目の値段。しかし、Cordova firmの見積もりは、なんと「工事を予定日より25日早く仕上げる」というもの。これが達成できれば25×20万ドル=500万ドル(約5億円)の追加収入が得られる(ただし、インセンティブの最高額は500万ドルだそうだ。急ぐあまり手抜き工事をされても困る、ってことでしょうか)。

というわけでCordova firmは昼夜を問わず工事を続け、その結果予定よりもさらに1週間以上も早い本日reopenとなった、というわけ。

わずか15日で落下した50メートルの高速道路を繋いだ建設会社もすごいけど、事故からわずか1週間のうちに「とにかく一刻も早く復旧させるため」のインセンティブ制度を設定したカリフォルニア州の意思決定の早さとフレキシブルさも、なかなかどうしてすごいものじゃないかと。日本の自治体には真似できない技ですね。これまたいい意味で「ありえない」。

それにしても、これだけの大事故が起こっていながら、「高速道路の耐熱安全性」に関する議論が起きていないあたりも、さすがアメリカというかなんとうか。これが日本だったら、全国の高速道路の耐熱性一斉検査、なんてことになっているのでは。ワイドショーで「高速道路安全神話の崩壊!」なんて特集が組まれたりして。

まあアメリカ人はきっと「ま、タンクローリー炎上じゃあしかたないよな。別に高速道路に欠陥があったわけじゃないし」なんて思ってるのでしょう・・・

2007-05-22

シリコンバレーをぐるぐると

以前の会社の同僚が仕事でシリコンバレーを訪れたため、現在そのお手伝い中。シリコンバレーのベンチャー企業&VCをヒアリングと称してぐるぐる回っています。彼らのリサーチ分野はいわゆるrenewable energy。太陽光とか風力とか燃料電池とかバイオ燃料とか、そういったあたり。同時期にclean techというclean energy関連のカンファレンスが開催されているので、それにあわせての渡米です。

それにしても、シリコンバレーのテクノロジーベンチャーまわりの話って、聞いていてとても面白い。小さな技術であっても、それが何らかの分野で競争力があって成長可能性があるものであれば、投資家がそこに投資し、うまくいけばあれよあれよというスピードで事業が成長をはじめる、そのスピード感と「技術がビジネスに直結している感」が、とてもリアルに感じられる。

今日話を聞いた会社(renewable energy関連)も、数年前には年商数億程度の小さなベンチャーだったのが、わずか3年のうちに年商数百億の会社に成長した。同業他社に比べて優れた技術を持っていたその企業、しかし商品化するには大量の設備投資を行いスケールメリットを出す必要あり、ということでそれまでは比較的小規模に事業を行っていた。そこに目をつけた大手企業が投資→上場させ株式発行してさらに資金調達→調達資金を元に設備投資と研究開発→3年で収益は百倍近くに、という流れ。

話を聞いたのは、その年商数億程度だったころから会社に居た財務担当者。ミーティングが終わっての帰り際、雑談の合間に「でも、数年でこれだけの急成長を遂げた会社の、その成長の真っ只中にいることができたってのは、とても羨ましいですね。さぞかし、excitingな経験だったんじゃないですか?」と聞くと、パッと顔を輝かせて「そう、この数年間は最高にexcitingな経験をすることができたよ。本当に楽しかった。会社が成長していくその過程を体験できるってのは、本当に面白いよ」と全力で肯定された。思いっきり全力で。

小さなテクノロジーが会社の行く末を大きく変えていくというダイナミズム。この面白さに魅了された人たちが、シリコンバレーという「世界的に超有名な片田舎」で資金と技術を人ぐるぐると循環させることで、また新しいダイナミズムを生み出していくんだろうなあ。

というわけで明日はclean techに行ってきます!

■

連絡事項:30日に帰国します。6/3~6/6ぐらいまでは大阪に、あとは東京に居る予定。みなさんあそんでくださいな。

友人に会えるのはとても楽しみだけど、Bay Areaの気候に甘やかされた体が日本の夏を乗り越えられるか、それだけがとても心配・・・

2007-05-10

試験終了!

一昨日のStrategyの試験をもって1年目は全て終了!入学直後は、First yearの終了なんて遥か遠くのことのように思えたのに、気がついてみればあっという間に終わってしまいました。

そんなわけで昨晩は、2nd yearの送別会をかねておなじみOaklandのJazz Club Yoshi'sへ。同級生N氏オススメのJoyce & Dori Caymmi。ブラジル音楽です。



VocalistのJoyce、声を張り上げている風でもないのに、低音から高温までものすごくよく響く。力の抜けた響き方がとても気持ち良い。

Yoshi'sの値段設定は、安い時間帯(平日の遅くとか)だと10ドルちょっと、一番高い時間帯(金曜、土曜の早めのステージ)でも20ドルちょっと、という、東京の値段に慣れた身からすると驚くべき価格設定。東京のBlue NoteとかSweetBasilとか、なんであんなに高いんでしょうね・・・

2007-05-07

やけに暑いと思ったら

最高気温89F(31℃)ですか、そりゃ暑いわ。ちなみに、Fahrenheitを℃に直したいときは、**F in Cとgoogleで打つと、google様が答えてくれます。不思議なことに、Firefoxのgoogle ツールバーでやると、リターンを押して検索する前に、「入力候補」としてanswerが返ってくるんですよね、なぜなぜどうして?

ファーレンハイト温度目盛では、水の氷点を32度(32°F)、沸点を212度(212°F)とする。水の氷点と沸点の間は180度に区切られる

だから何故32と212という中途半端な数字・・・と常々思っていましたところ、一応Wikipediaに説明が。しかし説明を読んでも納得がいかない。

Fahrenheit表示は未だに実感が沸きませんが、大体「50F以下:寒い、60F:涼しい、70F:ぬくい、80F以上:暑い」という感覚であることを、最近マスターしつつあります。80F超えはBerkeleyに来て初めてじゃないかな。
# 40度代 -- 寒い。厚い衣服が必要。
# 50度代 -- 涼しい。適度な厚さの衣服で十分。
# 60度代 -- 暖かい。薄手の衣服が必要。
# 70度代 -- 適度に暑い。夏服が必要。
# 80度代 -- 暑いが耐えられる。少なめの衣服

ということで、大体その感覚はあってるみたいです。
アメリカ合衆国とジャマイカでは、メートル法への置き換えが生産者側・消費者側の両方で大きな抵抗に遭っているため、ファーレンハイト度は様々な分野で広く使われ続けている。

そうそう、こっちでセルシウス度は通じません。使い慣れた単位を変えたくない、という気持ちはわかりますが、そういうワガママはやめて、単位ぐらい世界標準に合わせようよ・・・

そんなわけでまさにこれぞカリフォルニア!といった感じの好天気なのですが、あいにく試験中なものなので。部屋の床が上の写真のようになっております。さて、これから学校に行ってFinancial Modelingの試験を受けてきますよっと。

2007-05-04

Oyster BBQ

Year Endイベントその1。卒業生送別牡蠣BBQ at Tomales Bay

すごいところでした・・・・(デジカメのSDカードを忘れて、写真を取れなかったのがホント残念!)

Berkeleyから北上すること約1時間。入り江に面した海岸沿いに、簡素な販売用のスペースと10席程度のBBQセットが設置されているのみ、という非常にシンプルな店構え。その眼前に広がる海で養殖された牡蠣を収穫する→販売スペースで売る→希望者はその場でそのままBBQできる、という、これまたシンプルな商売方法。

牡蠣の販売単位は「ダース」か「50個」。HPの写真にあるとおり、50個を頼むと、巨大な網に入った山のような牡蠣が手渡されます。値段は50個で50ドル前後(サイズによって多少前後する)と、非常に安い!mediumサイズが品切れだったので、Largeを頼んだのですが、ありえないくらい大きい。貝のサイズは手のひらのサイズを上回り、牡蠣の身の部分ですら、手のひらから溢れるぐらいの。とても一口では食べきれないサイズ。そのままこじ開けて、レモンをたらして食べてもよし。BBQコンロにのせて焼いてもよし。

私は、以前一度あたった(海鮮しゃぶしゃぶだったので、牡蠣にあたったのか、はたまた河豚か白子かは謎ですが)にも関わらず、まったく懲りることなく生牡蠣を食べるほどの「牡蠣好き」だったのですが、さすがの今日のゴーカイなサイズの牡蠣にはかなりびびりました。通常、生牡蠣っていうと、殻をあけてレモン等で味付けして一口でつるっと啜る、ものだと思っていたのですが、とても一口ですすりきれないほどの巨大さ。さすがにちょっと怖気づいて、一応生でも食したものの、大半は焼いて食べてしまいました・・・牡蠣に「負けた」気分になったのは初めてです、マジで(あと、生だとちょっと塩っ辛い、というのも理由の一つ)。あ、その後改めて頼んだSmallサイズの牡蠣は、がしがしと生で頂きました。

こーいうのを一度食べてしまうと、東京で食べてた1個数百円~時には千円?という生牡蠣がもう食べれなくなってしまう気がします・・・・・

サンフランシスコからも車で1時間ほどなので、こちら方面に来られる人で、牡蠣に目がない人には五つ星でオススメのポイント。生でOKなら、牡蠣ナイフ、レモン等(醤油、ポン酢もオススメ)さえ持参すれば、その場でがしがしと頂けます。

1st year 終了!・・・・なのか?

本日午前のReal Estateの授業をもって、1st yearの全ての授業が終了!昨年9月の授業開始から気がつけばいつの間にか8ヵ月、まさにtime can't wait・・・とおもいつつもあまり感慨が沸いてこないのは、まだしっかりFinal Examが残っているからですかね。来週火曜は試験2つ+take homeの試験の提出締め切り日+Final Projectの締め切り、というエグイ四連発。

私だけに限らず、大抵の人は来週にいくつか試験を抱えているにもかかわらず、皆さん気分はすっかりYear End!らしく、今週末は各地&各団体がYear end partyを主催する模様。個人個人が勝手に開催しているだけでなく、学校公式のDean's year end partyなんてものも明日開催されるわけで。。試験が終わってからにしようよ!という発想はないんでしょうか、全く。そんなわけで、少しでも今日のうちに作業を進めておこうと、こんな時間までぱたぱたとキーボードを叩いてエクセルと格闘しているわけです。

というわけで(?)気分転換にyoutubeの映像など。



NHKの「みんなのうた」の中の1曲「月のワルツ」。なんですかこのクオリティの高さは。とても子供向け番組とは思えません。映像と音楽のシンクロ率が半端ない。とりわけ、3:00~の展開は、映像の美しさに背筋がぞくぞくしました・・・こりゃすげえ。

2007-04-28

House hunting!

日本に比べてこちらでは「引越し」に対する敷居が比較的低い、ような気がします。理由としては

1. 礼金がない(Depositという名目で最初に家賃の1~2か月分を取られるけど、これは日本でいうところの敷金みたいなもの)
2. 1年で容赦なく家賃を上げられる場合がある。
3. 洗濯機、冷蔵庫、食器洗い機といった大物家具が通常は家備え付け(新しいところだと電子レンジも着いている)

といったところでしょうか。2に関してはBay Area特有なのかもしれませんが。なにせ、米国全土でもNYに次いで家賃相場が高いといわれている地域だけあって、不動産マーケットは基本需要過多。2割、3割の賃上げを要求されることすらあるみたい。だったら予算内で新しい家を探した方がイイ!と思ってしまうのもしかたないかも。同級生の中にも、この理由で引越しを検討中の人もあり。

うちは、今のところ賃上げのお知らせはきていませんが、契約も1年で切れることだし、「悪くはないけど、もうちょっと良い場所があるよねー」ということで、この家は今年一杯で終了、ということに。引き続き2年目も一緒に住むことになったChinese AmericanのJingに韓国人同級生をひとり加えて、只今新しい家を探し中。それなりに手間のかかる作業ではあるものの、新生活に向けた準備、という気がして、なかなかワクワクする作業だったりします。

ちなみに、Berkeleyの家賃相場は、いまのところこんな感じでしょうか。
Studio(日本でいうところのいわゆるワンルーム):$1,000~$1,300
1bedroom:$1,300~$1,700
2bedroom: $1,800~
3bedroom: $2,500~

中心部である学校から離れるともう少し安くなりますが、学校近辺、あるいは山側の絶景Viewの望める家などは人気度が高いため、大体こんな値段です。すっかりこちらの感覚に慣れてしまったけど、冷静に考えたらこれ、東京と遜色ない値段だ・・・・

2007-04-27

Are you able to swim/Bike?

さて先日。今年の夏にサマーインターンを行う予定の会社から、メールがきました。インターン開始前に1週間ほど香港でトレーニングがあるのですが、その準備のために教えて欲しい情報がある、とのこと。

アレルギーの有無や食べれないものがあるか(好き嫌い、じゃなくて、ベジタリアンとか宗教上の理由で食べれないものがある人が多いからね)、を聞くのはよいとして。

何故か「Are you able to swim/bike?」っていう質問項目が。

ナニコレ?

えーと、まさかトライアスロンでもやらされるんですか?

・・・・まあ前職の頃は、会社のメンバーで駅伝走ってましたがね、私・・・・

2007-04-15

お好み焼きのようで

お好み焼きにあらず。賞味期限の過ぎた卵と山芋をなんとか処分せねば、とレシピを検索して出てきたのが山芋ステーキ。すりおろした山芋と卵を混ぜて焼くだけ、というシンプルな料理。でも大変美味しい。

アレンジで、タネにめんつゆを入れると風味が増します。タネがやわらかいので、多分他に野菜を混ぜるのが難しい(ひっくり返すときに重さで落ちそう)のがちょっと難点。軽く小麦粉を混ぜると、強度が増してよいのかも。

ところで、上のメニューの話を友人にしたら「なにその酒のつまみみたいな昼ごはん」と。

・・・・確かに。

2007-04-11

戦略的ゲームとしての七並べ

火曜水曜に提出のEthicsとStrategyのmidterm paperがあるにもかかわらず、土日とLake tahoeに遊びに行ってたおかげで、久々に「人としての機能を維持できるぎりぎり」レベルのえぐい睡眠時間しかとれなかったここ3日間。月~水であわせて5時間ぐらいですかね。眠い。レポートは書き上げて、今は提出するためにOffice hourを待っているところ。

さて、土日のスキーは日本人同級生&韓国人同級生の合同ツアー(というほどの人数でもないけど)。昼間のスキーの後、同級生がシェアして借りているロッジに泊まって、そこでなぜか開かれたのが、トランプの「七並べ大会」。何故に七並べなのかよく分かりませんが、とりあえずカードゲームをしよう、という話の流れで。定番は「大富豪」かな、と思ったけど、これはルールを英語で説明するのがややこしそうだったので、同級生Y氏の提案で七並べに。

七並べなんて子供のころ、お正月や親戚が集まるイベントで遊んだっきり。特に頭を使うわけでもない、どっちかっていうと配られたカードの種類によって強さが決まってしまう単純なゲーム、と思っていたのですが、子供の頃は知らなかった3つのルールが追加されたことで、実は戦略的要素の非常に強いゲームだということが判明してちょっと驚き。

追加された(基本ルールなのかもしれないけど、私は知らなかった)ルールは以下のとおり。
1.ジョーカーは、「間の数を埋めるワイルドカード」として使う。ジョーカーを置かれた位置の札を持っている人はその札を出す必要があり、かつ置かれたジョーカーを自分の手札にするかしないかを選択できる。

つまり
3 4 5 6 7 8
となった状態でジョーカーと10を持っていれば
3 4 5 6 7 8 Jorker 10
と出すことができる。この場合、9を持っている人は札を場に出す必要があり、かつ、9を置いた後に、ジョーカーを自分の札にするかしないかを選択できる。ワイルドカードとして有効なジョーカーですが、「ジョーカーでは上がれない」というルールもあるため、ゲーム後半には注意が必要。

2.カードがどちらか一方の端(1かk)まで到達した場合は、1の場合は次はK、Kの場合は1に繋げる必要があるという「A-Kのリンク」。例えば

4 5 6 7 8 9 10 J Q K

と出たら、次におけるのは1のみで、4の隣の3には置けない。逆も同じ。

3.カードを持っていてもあえてパスをする「戦略的パス」が可能(ただしパスは3回まで)

さて、この3つ、特に2番の「A-Kのリンク」が追加されると、手持ちの札のうち「どの札が危険な札か」の読みが随時変わってくる。このルールがないと、使えるテクニックはせいぜい「札の流れを止めて、他の人が手札を出すのを防ぐ(6や8を持っているのにあえて出さない、とか)」程度A-Kのリンクが追加されると、札の流れによって最後まで残りそうな札が流動的になり、また、自分で流れをコントロールできる部分が増えてくるため、非常に面白い。

wikipediaの説明を見ると「チルドレンズ・ゲーム(子供向けのゲーム)」とあるけれど、なかなかどうして、大富豪に匹敵、あるいはそれ以上に「戦略と駆け引き」が重要なゲームです。ただし、プレイする人数がある程度多くなると、「戦略を立てられるほど手札に余裕がなくなる(そもそも、出せる手札が少なくなる)」ため、「手札の運」の要素が大きくなってしまうのは、まあしかたないことでしょう。

半信半疑で参加した日本人も、初めて七並べをする韓国人も、予想以上に盛り上がってしまったLake Tahoeの一夜。モノポリーとか、「考えること」が要求されるゲームが好きな人にはかなりツボに入ると思われます。

ちなみに、このゲームを提案したのは、某外資系戦略コンサル出身の日本人同級生Y氏なのですが、ゲーム序盤に余裕綽々で勝つ氏に「このゲーム得意なの?」と聞くと、「ぶっちゃけ言って、カナーリ得意です」と自信満々の様子の返答。だと思ったよ・・・

そうそう、こんなリンクもありました。
はてな:トランプゲームで「心理戦ゲーム」言えば、どのようなものがありますか? 

2007-04-09

MIT sketching

確認してないけど、おそらくメディアラボでしょうね。これはすごい。



商用化された場合にどのくらいコストがかかるのか分からないけど、こういうのが中学・高校の物理の時間に普通に使えるようになれば、「理科離れ」を防ぐ協力なツールになるよなあ、と。

面白かったので何人かの知人にメールを送ったところ、そのうちの一人から「この技術はドラえもんの“マジックペン”に基づいているに違いない」というリプライが。

うはは、と笑ってしまったけど、あながち笑殺できないかも。「子供の空想のようなシンプルな技術を具現化する」という点において、MITのメディアラボの研究テーマとドラえもんの道具には、どこか共通する部分があるような気がします。

MIT Media Lab

2007-04-02

イニシエーション・ラブ

3月最後の1週間、春休みはLAで過ごしておりました。友人宅に泊まらせてもらって、3日でテーマパーク4つ、美術館2つにパサデナのハンティントン・ライブラリーなどを回り、昼夜と友人お勧めのLAのお店で食べ歩く、という幸せな日々。遊んでくれたI氏、S氏、ありがとうございます。

で、テーマパークや美術館が表の目的地としたら、裏の目的地はLAにあるブックオフ。そう、なんとLAにはあの日本のブックオフがあるのです。アメリカではNYとLAにだけあるらしい。う、うらやましいね・・・

事前の打ち合わせ段階から、行きたい場所を聞かれて「ブックオフ!」と答えた私は友人たちに呆れられていたようですが、期待にたがわず、大量の文庫本&マンガをゲット。総額80ドルあまり。日本に居たときですら、ブックオフでこんなに使ったことはありません。マンガはかさばるからやめておこうと思ってたのに、「のだめ」を大人買いしてしまいましたよ・・・。あ、80ドルのうち半分ぐらいはのだめです。

本は日本から空輸しているものもあるらしく、値段設定は日本より若干高め。でも、「1ドルコーナー」とか「2冊で3ドルコーナー」といったお買い得品も沢山あるため、かなりの冊数を買い込むことに成功。

で、タイトルのイニシエーション・ラブ。以前からネットの書評などで噂になっているのを聞き、一度読んでみたい、と思っていたところ、運良くブックオフで発見し、早速購入。乾くるみ、読んだことないけどメフィスト賞作家だったのね。ってことはかなり癖のあるミステリ作家なんだろうなあ、などと思いつつ、早速読み始め・・・(以下、一応ネタバレはしてませんが、余計な前知識を要れずに読みたい人は、スルーしていただいた方がよいかもです)

大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。

目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、そして最後に明かされる真相…。80’sのほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマはそこですべてがくつがえり、2度目にはまったく違った物語が見えてくる…。


との紹介文通りの、ベタな恋愛模様から始まって。合コンで知り合った二人が付き合い始め、デート、初体験、クリスマスと時を過ごす。やがて東京と静岡の遠距離恋愛になり、二人の間には少しずつ溝ができはじめ・・・・と、面白くないことはないけど、かなりベタ。いまどきベタな恋愛小説でもこの展開はないでしょう、というぐらいベタ。えーと、一体どこでひっくり返るんだろう。つーか、もう残りページが少ないのだけど、これ本当にミステリになるの・・・と思ってたら。

ちゃんと最後にくつがえりました。やられました。しかも、衝撃が2段階で来ました。最初読み終わったときは「え、そういうことだったのね。なんか違和感あると思ってたけど、そうかー」と驚きながら納得して。あれ、でもまてよ、それだと微妙につじつまが合わないところが・・・・・・と考えることしばらく。

ま、まさかそういうこと?!

即、ページを戻って再読。すると、一度目の時には「ごくありふれた恋愛模様」に見えた様々なシーンに張られている伏線が、出てくるわ出てくるわ。ページをあちこちに繰りながら、ついには付箋まで出動させて確認作業。ラストを読んだあとで読み返すと、これほど全体の印象が変わってしまう話もないんじゃないでしょうか。

驚き度でいうと、筒井康隆の「ロートレック荘殺人事件」が近い感じかなあ。ただ、一読したあとに再読すると物語が全く違って見える、という点では共通していますが、かなりテクニカルな印象の、別の言い方をすると「ミステリを成立させるためにトリックを駆使する」印象を強く受けるロートレック荘に対して、イニシエーション・ラブの方は、「トリックが見破られた後に見えてくるもう一つの物語」が、後味が悪いというか、えぐいというか、背筋が寒くなるというか、なんというかいろんな意味で「凄い」。

ちなみに、タイトルの「イニシエーション・ラブ」とは、物語の中で登場人物が語る言葉で、本文から抜粋すると

子供から大人になるための儀式。初めて恋愛を経験したときは誰でも、この愛は絶対だって思い込む。でも人間にはーこの世の中には絶対なんてことはないんだよっていつかわかるときがくる。それがわかるようになって初めて大人になるっていうのかな。それをわからせてくれる恋愛のことを彼はイニシエーションって言葉で表現していたの


とのことですが、この小説のトリックを見破ることで見えるもう一つの物語を受け止めること、理解できるようになることが、一つのイニシエーションでもあるんじゃないかな、と思ったり。

とまあ、未読の人には「なんのことやら」という感じで書き散らしてしまいましたが、どうやら近々文庫化するみたいですし、興味をもたれた方は是非読んでみてください。で、私の語り相手をしてください・・・

あと、ネットでいろいろネタバレサイトをみて知りましたが、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」もどうやら似た系統らしく。日本に帰ったときに是非買ってみようと思います。

2007-03-23

日本人はチップを払わない?

UC Berkeleyは明日から春休み。ビジネススクールはsemester制なので、学期の変わり目、というわけでもないのだけど、とりあえず春休み。LAに遊びに行ってきます。3日で遊園地4つをハシゴする予定です(←やりすぎ)。

さて、昨日はボストンからビジネススクール受験時代の友人Keroさんがベイエリアにやってきたので、久々の再会。Kero夫妻と私にHaasの2年生T氏も交えて、Berkelyのタイレストランに集合。タイ料理とシンハビールを満喫し、会計のタイミングで伝票を取り上げてちょっと驚いたことが。

通常、アメリカのレストランの伝票は

Base $80.00
Tip $_____
Total $_____

という風に、Tipの料金を記入する欄があって、カードで支払う場合はここにチップの額を記入して決済してもらうのだけど。なんとTipの欄に、既に「Base×15%」の金額が記入されている!

「日本にはチップの習慣がないから、日本人はチップを払わないことがある」ってのはこちらでは結構有名な話らしく、例えば先日出かけたSan Joseの日系スーパーMitsuwaの中にあるラーメン屋でも、「日本から出張で来られた方へ:チップについて」という張り紙があるぐらいなのだけど*1。しかしTipをあらかじめ記入されたってのは、さすがにこれまで経験したことなかったなあ。

このタイ料理屋は以前にも来た事があったのだけど。そのときは普通にTip欄は空白でした。おそらく、日本人と台湾人で来た前回は英語で話していた→こいつら、一応こっちの住人っぽいからチップのことは分かっているな、と思われた、のに対して、今回は完全に日本語で話しまくっていたため「こいつら日本からの旅行者か、チップ払わねー可能性があるな」と思われたのでしょうか。

まあ、「感謝の気持ちとして置くのではなく、働く人の生活に必要なアイテムになっていて、相場は15%なんて決まってるのなら、チップじゃなくて普通に代金に含めればいいじゃん」と思ってしまうチップの感覚がよく分からない私としては、いっそみんなそうやって金額を固定してしまえばいいのにね、とも思ってしまうのですが。

*1張り紙には、チップはウェイター・ウェイトレスにとって重要な収入源であること、彼らの給料もチップを見込んで支払われていること、チップについてもきちんと税金の申告がされていますよー、みたいなことが書かれていた。単なる「気まぐれでサービスに払うもの」ではなく、きちんと経済活動の一環を担ってる、ということを強調したかったのでしょう。

2007-03-19

Yang sing in SF!

本日のお昼は大学時代の飛行機友達とサンフランシスコで。パロアルトに短期出張しているI氏とは、お互いのblogやmixiの日記を読んでいたせいもあって、なんとなく「すごい久しぶり!」という気がしなかったのだけど、よく考えたら殆ど卒業以来ですよ。7年ぶり?

I氏は某電機メーカーでエンジニアをされているのですが、普段はあまり聞くことのできない、ちょっとマニアックな業界裏話など聞けて、大変楽しかったです。自分が好きなことをやっている人が、その好きなことを楽しそうに語る、というのは、大変刺激されるモノがあります。

お昼はサンフランシスコ市内にある飲茶の店Yang Sing。正統派飲茶(英語ではDeem Sumという)の店らしく、昼間しかやっていないというなかなか高飛車(?)な店ですが、ここの飲茶はかなりお勧め。個人的にはエビ餃子とマンゴープリンが絶品かと。

■

本日の「これはすごい」

直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070317/p1

直球でささります。すばらしいエントリー。友人と、このエントリーについて話したりして、いろいろ考えさせられることもあり。いろいろ書きたいこともあるのだけど、うまくまとまっていないのと、明日の課題がまだ終わっていないので、またの機会にします・・・

2007-03-17

ミツワに行ってきました

Berkeleyから車で40分ほど。StanfordのあるPalo Altoを通り過ぎたSan Joseにあるスーパー「ミツワ」は、ベイエリアではおそらく最大の日系スーパー。隣接する、これまたベイエリア最大の日系書店紀伊国屋(まあ、本屋はSFとSan Joseしかないですがね・・)とともに、ベイエリアに暮らす日本人必須の地。といいつつ私はこれまで行ったことがなく、というのもBerkeleyにある日系スーパーや韓国系・中国系スーパーでそれなりに事足りていたからなのだけど、今回、香港人クラスメイトのPatriciaが行く、というので連れて行ってもらうことに。

ちなみにこのPatricia、月に2回はミツワに日本食の買出しに行くという、相当な日本食好き。「どんな料理作ってるの?」と聞いたら「一昨日はカレーうどん、昨日はとろろ蕎麦」。う、私どっちも作ったことありませんがな・・・・ちなみにミツワではカルピス(原液)とか日本酒の一升瓶とかを買い込んだり、ワサビのコーナーで「Fakeの奴じゃなくて本物がいいんだけど、どれか分かる?」と尋ねてきたり(生わさびのことか?すいません、私、練りわさびにそんな違いがあるなんて知りませんでしたよ・・・)。

土曜の午後のミツワは、駐車スペースを探すのに一苦労するほどの混雑ぶり。大きさは、日本の普通のスーパー(ダイエーとか東急ストアとか)ぐらい。品物的には「どうしてもここじゃなきゃ手に入らない!」ってのは余り無いような気がしましたが、やはり店が大きい→ある程度まとまった需要もある、せいか、値段はBerkeleyの日系スーパー「Tokyo Fish Market」に比べて安い気が。魚とか肉とか野菜とか、生物系はとくに。私は日本のスーパーの値段を全然知らないので、日本との比較はできませんが。あと、大きいスーパーだと「特価品」がいろいろあるのもいいね。相変わらず大量にお菓子を買い込んでしまいましたさ。

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本日のレシピ

アスパラガスがかなり賞味期限ぎりぎりになってきたので、大量に処分できる方法、ということで、アスパラのポタージュを作ってみた。レシピはこちら。

アスパラポタージュ


なかなか良い感じです。固形スープの素はよくわからなかったので、ビーフコンソメをいれてみました。改善点としては、ミキサーにかけた時に、見た目は全部砕けていても、以外とつぶつぶが残っているので、念には念を入れてミキサーにかけたほうがいい、というところでしょうか。

2007-03-13

Go round Napa!

今回Napaで行ったワイナリーは3件。去年の夏、到着直後に行ったときは、下調べもせず、とりあえず有名なRobert Mondavi、Opus one、そしてあと2つほど目に付いたところ、と実に適当に回っていたのですが、今回は友人がきっちりと下調べをし、なかなかバラエティに富んだ選択となりました。

*Sterling Vineyards
ナパの中でも北部に位置するカリストーガにあるワイナリー。入り口から、さらにケーブルカーで登ったところにワイナリーがあり、景色とワインのテイスティングを楽しめる、というのが売り。確かに、ケーブルカーから見渡す景色は素晴らしい。ただ、テイスティング料金込みとはいえ、入場料20ドルはちょっと高いよね・・というのが友人たちの評。

Prager Winery
ポートワイン、と呼ばれる独特の甘みを持ったワインを造っているワイナリー。入り口の看板に気づかずにそのまま通り過ぎてしまうほど、小さなワイナリーなのだけど、テイスティングルームに入ると満員で待ち行列ができていたりして、結構びっくり。10ドルで5種類のワインがテイスティングできます。独特の香りと甘さ(でも、いわゆるデザートワインの甘さとは違う)が個人的にはかなり気に入って、買って帰ろうか、と検討してしまった。ポートワインが好きな人にはお勧め。

*Mumm Cuvee Napa
Mumm Cuvee Napaというスパークリングワインを専門に作っているワイナリー。ブドウ畑が見渡せる(冬なんで枝だけでしたが・・)レストランで、スパークリングワインの試飲ができる。グラス3つで10ドル~20ドルぐらい。ここは試飲、といっても普通のスパークリングワイングラスとほぼ変わらないサイズなので、3種類も飲むと結構酔っ払い。珍しい赤ワインのスパークリングなんかもあったりして。

2007-03-11

僕らの前には、未だ巨大すぎる人生が

また一つ年をとりました。時差があるので、日本時間だと昨日ですが。16進法で数えたらこれが最後の10代です・・・とネタで言ってみたりもしますが、実際のところそれほど年に対するこだわりはなかったり、というのが正直なところ。31か、素数だなあ、孤独で綺麗な数字だな、というぐらいの感想です(←森博嗣の読みすぎ)。

それはおいといて。いろんな人から、メールで、メッセンジャーで、mixiやGree経由で、お祝いしてもらいました。今日一緒にNapaに行った同級生からも。個別に返信させてもらいますが、みなさん本当にありがとうございます。月並みな言葉しか言えませんが、こうしていろんな場所からメッセージをもらうと、そうやってみんなから祝ってもらえるに値する人間にならんとな、とちょっと真面目に思ったりします。

そういえば、丁度去年の今頃(正確には数日前)に、別の学校から合格通知をもらい、行き先は未定だけどとりあえず渡米すること決定、となったのでした。あれから1年。様々な出来事がものすごいスピードで通りすぎていって、その中を、息を止めて全速力で泳ぎぬけて、というような1年間。随分と長い距離を泳いできた気がしますが、ちゃんと遠くまでこれているのかは未だ不明。「目の前にどうしようもなく横たわる、巨大すぎる人生と、茫漠とした時間」に時折怯みながらも、とりあえず今年も1年がんばります(って年始の挨拶みたいだなあ)

ちなみに、写真は本日遊びに行ってきたNapa Valleyのワイナリー。Napaは2度目ですが、本日のワイナリーはなかなか「通っぽく」てよい感じでした。詳細はまた後ほど。

2007-03-07

試験期間中なのですよ

Spring Aのコア科目、オペレーションとマクロ経済、そしていくつかの選択科目のmid term。切羽詰れば詰まるほど他のことがしたくなるところは、昔から全然変わってません。

で、こんなの見つけたり。

One more time, One more change-秒速5センチメートルバージョン


やばい、泣ける。既に見た第1話のみならず、まだ本編を見てない第2話、第3話とおぼしきあたりの映像にすら涙腺を刺激されるんですが。

あとは「サルまん」の英語版をamazonで発見して注文してみたり(ちなみにこの本、同級生の一部の間で最近かなり盛り上がり中。春から再度連載決定だそうで・・・)。

ああもう、余計なことしすぎだって。

アナタも知らないアナタのココロ

本日のManagerial Accountingの授業のゲストスピーカーによる「コンジョイント分析(Conjoint analysis)」の話が非常に面白かったので、そのご紹介。

コンジョイント分析とはマーケティングなどで消費者嗜好分析に使われる分析手法。例えば、「ホテルにどんな機能・サービスをつければ顧客満足度が上がるかしら?」ということを調べる場合、よくあるパターンとしては、「禁煙ルーム」「アメニティの充実」「ホテル内ジム」「朝食サービス券」などの項目を挙げて

「次のそれぞれの項目について「強く希望する」から「全く希望しない」まで5段階で評価してください」

とか

「次のそれぞれを、希望する順序に並べてください」

といった風にアンケート調査を実施し、「顧客に一番望まれているのは禁煙ルームです!」なんて結果を出したりする。

ただ、最初の方法だと「どれも希望する!」という回答は十分予測されるところで、結局どれがどの程度重要なの?ということがいまいち分からなかったり。二つ目の方法でも、重要度がの順序が分かったとしても、じゃあ「AのためならBを犠牲にできる」といった、「どれが必要」で「どれが必要でない」ということがなかなか分かりにくかったりする。

さらに、例えば上の項目に「アダルトチャンネルの充実」なんて、ちょっと人目をはばかる選択肢が入っていた場合(ちなみに、これ実際に授業で説明された事例です)。さて、どのくらいの人が正直に自分の嗜好を答えるでしょう?いくら匿名無記名アンケートとはいえ、本心では「アダルトチャネル超重要!、それが無いホテルには泊まりたくない!」と思っていても、堂々とそれを回答するにはどうしてもためらいがあるのでは。

さて、コンジョイント分析は、そうした「それぞれの選択肢の本当の重要性」を明らかにするために、いろいろな選択肢を組み合わせて「セット」にして、そのセット同士で比較したり、順位をつけたりする。

例えば、上のホテルの例で言うと

ホテル1:禁煙ルーム、朝食券つき、アダルトチャネルなし、ホテル内ジムなし、アメニティ充実

ホテル2:禁煙ルーム、アダルトチャネルあり、朝食券なし、ホテル内ジムあり、アメニティ充実

という2種類のホテルがあった場合、あなたはどちらを選びますか?というのを尋ねる。で、これを何セットもつくり、2択を繰り返してもらう。あるいは、上のようなセットを複数作って「1~10のホテルの中から、泊まりたい順に並べてください」という順位付けをおこなってもらう。

そうすることで、その人が「何に重点を置いているか」が相対的に分かる。単に「これとこれは重要」ってだけじゃなくて、「ホテル内ジムのためなら、アメニティの充実は犠牲に出来る人」とか「何はともあれ禁煙ルーム」とか。あと、上で挙げた選択肢に対する心理的なバイアスも、単純選択に比べてかなり軽減できる。「いやいや、ホテル1じゃなくてホテル2を選ぶのは、オイラはホテル内ジムを超重視してるからさっ。別にアダルトチャネルのチャネルが理由じゃないよ~」なんてね。

実際に、授業で紹介された過去のデータによると、上のような嗜好調査を単純な順位付けでやった場合は「ホテル内ジム」が1位でだったけど、コンジョイント分析でやると「アダルトチャネルの充実」が圧倒的1位だったらしい。そしてその嗜好調査を裏付けるようなデータとして「アメリカのホテルで、男性一人で宿泊した場合の、アダルトチャネルをつける割合は70%」という統計があるそうな。マジですか。それはそれで、ホテルの使い方を間違っている気が。

このちょっと手間のかかる調査から、それぞれの顧客の、各項目に対するUtility(効用?と訳すのだろうか?それぞれの人に対して、それぞれの項目がどの程度「有効か」を示す値)を出し、例えばAさんにとっては「禁煙」のUtilityは0.8、ジムは0.3、アダルトチャネルは-0.4なんて数字が出る。そのデータが数百人、数千人分用意できれば、例えば「禁煙ルームの割合を○室にして、アメニティにこれぐらい投資して、価格を幾らにした場合、どのくらいの人がホテルを利用し、投資に対する利益はどの程度か」といった感度分析ができ、どこにどのくらい投資すべきか、という判断ができる、というもの。これがマーケティング的なコンジョイント分析の使い方、だそうです。

授業で紹介されたコンジョイント分析の面白い事例としては、他にも、ビジネススクール卒業を控えた学生を対象に、「あなたが就職先を選ぶ際に重視するものは?」と尋ねた質問があった。10個ぐらいの項目のうち、通常の調査だと「co-worker」が1位で「salary」は7位ぐらい。でもコンジョイント分析だと、「salary」が1位だったり。

いや、これホント面白い。授業ではマーケティングへの応用が紹介されていたけど、心理学系の調査でもどんどん使えそう。ある種「欲」に絡むことを尋ねられると、匿名無記名のアンケートとはいえ、どうしても「自分をよく見せたい」という心理が働く。その「歪み」を取り去る手段として、完璧とまではいかないまでも、かなり有効なのでは?

私は今まで、こういった個人の嗜好調査系の調査結果がいまいち信じられなくて、ちょっと奇麗事っぽいアンケート結果を見るたびに「んなわけないって!みんな本音で答えよーよ!」などと思う、かなり歪んだ性格の持ち主なわけですが。こういう「あの手この手で、人の深層心理を探り出す」手法を見ると、お、統計調査もなかなかやるね!と思ってしまいます。

コンジョイント分析はアメリカではそれなりに普及している手法みたいだけど、日本ではあまり聞いたことがない、気がする。私も始めて聞いたし、某外資系戦略コンサルに勤めていた同級生も「これは初めて聞いたわ」といっていた。実際にやるとなったらかかる手間と費用は通常のアンケート調査以上だと思うけど、マスターしておくと後々役に立ちそうな技な感じです。

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